中間テストの時間 * * * ページ24
結局のところ何が言いたいのだと口を挟みたくなったが、誰かが代弁してくれた。
そうすると、私たちより少し離れたところに位置する殺せんせーが突如くるくると砂嵐を起こしながら何故か回転する。
「先生方の仰るように自信を持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる。対して君たちはどうでしょう。“俺達には暗殺があるからいいや”と勉強の目標を低くしている。
それは劣等感から目を背けているだけです!!」
その回転スピード徐々に徐々に増す。
殺せんせーが私たちに訴えているようだった。
もし、先生が教室からでていったら
もし、ほかの殺し屋が先に先生を殺したら
暗殺という拠り所を失ったE組は劣等感しか残らない、と。
「そんな危うい君たちに先生からのアドバイスです。
第二の刃を持たざる者は暗殺者の資格なし!!」
いつの間にか先生の話に耳を傾けるどころか砂嵐はどんどんどんどん酷く舞ってゆく。草木や石っころがとんでいるのが分かる。
生徒たちが頭や目を守るようにしていたら、いつの間にか砂嵐は止んでいた。目を開けて最初に目にしたのは凸凹で、雑草が沢山のグラウンドが綺麗になっていることだった。
先生が一人で全て平らにしてしまった。
「先生は地球を消せる超生物。この一帯を平らにするなど容易いことです。」
改めて先生の威力を知らされたのだと思う。
「もしも君たちが自信を持てる第二の刃を示せなければ相手に価する暗殺者はここにいないとみなし校舎ごと平らにして先生は去ります。」
酷くえげつないこと(脅迫)を先生は示す。
「第二の刃…いつまでに？」
「決まっています。明日です。明日の中間テスト全員50位以内を取りなさい。」
無理難題ではないかと思った。
少し前まで校舎内で底辺だった人達にいきなり50位以内に入れというのだ。しかも明日までに。
それはつまり、昨日100m走10秒だった奴が7秒という新記録をだすくらいにE組にとって無茶ぶりな要求だった。今の実力では到底不可能ではないかと思う。
それでも彼らは否定する余地も与えられず、ただただ勉強に50位以内に入るべく突進するのみならなかったのだ。
『…』
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作者名：綾鷹 | 作成日時：2022年8月25日 23時
