HIGH CARD (ページ2)

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FAKE BONDS ページ2

ピノクル・オールドメイド店

フィンがハイカードに加わって数日。

クリスの教育もあり、すでに営業を担当していた頃。

フィン「そういえばさ、あいつ誰？」

形のいい顎で顧客を相手している女性を指す。

クリス「あぁ～…まだ会ってなかったっけ？彼女はA・ベイリー。半年前からここに入った。」

フィン「へぇー…」

フィンが興味なさそうに呟く。

それをみたクリスは、自分が仕掛けた罠に相手が引っ掛かるのを今か、今か、と待つような表情でフィンに話しかけた。

クリス「ちなみに彼女、飛び級してるエリート。」

フィン「飛び級！？」

フィンの手にあったモップが落ち、カンと音を立てる。

クリス「ちょっと、なにしてんの？お客さんがいるじゃん！」

フィン「クリスが変なこと言うからだろ！？」

店の端で小競り合いが始まる。

一方、Aは既に車を売り上げ、顧客を見送り、昼休憩を取ろうとバックヤードに向かっていた。

クリス「あっ！A、ちょっと待って紹介したい奴がいるんだ」

『紹介？』
　
クリス「ほらっ」

勢いよくフィンの背中を押す。

フィン「はっ、ちょっ、まっ、」

クリス「こいつはフィン・オールドマン。数日前からここに新しく加わったメンバーだ。」

フィンは少し気まづそうに「お願いしゃす…」と頭を下げた。

『よろしく、私はA・ベイリー。クリベッジ大学の4回生。それじゃ昼休憩に入るから営業担当よろしく。』

Aはそう告げるとバックヤードに入って行った。

フィン「いくらエリートだからって、ぶっ愛想な奴だなぁ」

眉を顰めて、Aの背中にぶつけるかのように言葉を投げる。

クリス「まぁ、それがAだからさ。信用されてると思って♪」

フィン「ん〜…」
　

フィンは、なんだか腑に落ちない様子だが、ドア付近でベルの音が鳴る。

来店の合図だ。

クリス「いくよ」

フィン「はーい」

二人はドアに向かっていった。