EVA 一話 ページ5
私は今、江戸城桜田門の前にいる。
なぜ、こうなってしまったのか。
時は二日前にさかのぼる。
＿＿＿二日前＿＿＿
「父上、ただいま戻りました。」
父「ああ、」
私の父は刀工職人。
本来なら私は後を継がなければいけないのだが、女であるため、継ぐことが出来ず、今は甘味処で働いている。
父「今日の晩飯は何だ。」
「商屋の相葉さんのから鯖をいただいたので、味噌煮にしようかと。」
父「鯖か、そういえば相葉さんの所の雅紀くんとはどうなんだ。」
「よしてください(笑)何もありませんよ。」
父「しかし、よく小耳に挟むぞ。気があると。」
「所詮は噂ですよ(笑)」
本年、二十歳。世間一般的にはもう結婚している年だ。それなのに私が結婚をしていないのには訳がある。
私が十六の時、母が病に倒れたのだ。完治せず、私が十八の冬に亡くなった。
その間は縁談に構う暇なんてなかったし、その後も葬儀などで忙しく、気づけばもう二十になっていた。
父は結婚に前向きなようなので、申し訳ないが、私は結婚なんてクソ喰らえ！！状態だ。
もとより、二十のおばさんをもらってくれるような器用の広い方は現れないだろう。
父「そういえば松岡殿が刀を取りに見える。」
「対応しときますね。」
父「ああ、頼む。」
「何処か行かれるんですか。」
父「すぐに戻る。」
こんな風に扱われていたら尚更なのだが。
父「それじゃあ、出掛けてくる。」
「お気をつけて、行ってらっしゃいませ。」
さあ、夕食作りに取り掛かろう。江戸の一日は早い。
嵐−A・RA・SHI［Official Music Video］Twitter→←Twitter #野生の＿＿
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作者名：トケイソウ | 作成日時：2022年10月30日 15時
