あの陽の差す方へ (ページ27)

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Voyage ページ27

【CAMERA MAN Side】

俺は今、国立競技場にいる。Voyageで『嵐フェス2020』の裏側を撮るためだ。

“仲が良い”と言われるグループ。そんな彼らの裏側を撮るというのだ。俺は緊張していた。

そんな時。松本さんに手招きされた。

潤「撮影これから？」

『はい』

潤「なんか大人になったよね…(笑)」

突然、話し出す。

小澄さんを見ながらそう言い、松本さんは目を細めた。

潤「出会ったのがAが中3の時で。俺は高校生だったから、言い方は悪いけど、幼く見えたんだよね。」

潤「まあ、実際はそんなことなくて新しい道を行く異端児だったんだけど(笑)」

『僕、遊戯王とか見てました。』

潤「マジ？(笑)もうそんな経つのかぁ…」

かれこれもう20年も前だ。俺が当時のことを思い出してると、

潤「…って湿布…？」

松本さんが突然言った。

潤「はぁ…寝違えたとか言って誤魔化すつもりだ。多分、熱あるよ。ちょっと行ってくる。」

俺にそう言って小澄さんに駆け寄る。

湿布を熱を下げるために使うのか？まあ、確かに熱を下げる効果はあるけど…

普通、そう気づかないだろう…

“20年”という歳月を、共に過ごしてきたからから気づくのであろうその出来事を目の当たりにして、

俺は、彼らの絆は仲が良いとか悪いとかそういう次元では計り知れないのかもしれないと思った。