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｢…っ…｣
親指同士のぶつかり合いでいい勝負になっていて…
これはもしかすると勝てるんじゃないか？と思い
一気にかけようとした時だった…
｢ねぇAさん｣
｢…なに？｣
今いい所なのに話しかけないでよと思いながら
返事をすると微笑みながら内村君は私の耳に近づけ…
｢外から見たらカップルに見えちゃうね？｣
｢うっ…ん…そう…だね！｣
え、今頃気づいたの？って…あ、いい所だったのに！
内村君が耳元で話すお陰で調子が狂ってしまった。
｢ねぇAさん｣
｢今度はなに？｣
再び話しかけられ返事をすると…
さらに追い討ちをかけるかのように
内村君は口を開いてこう言った。
*
*
*
*
*
｢この勝負で勝ったら…
−−−−−−−−−−−−？｣
｢…え？｣
*
*
*
*
*
その言葉を聞いた私は一瞬にして親指の力が自然と
抜けてしまい…内村君はニヤリと口角を上げた後
私の親指を抑え10秒数えて勝負は決まった。
｢なんて冗談だよ｣
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作者名：水瀬 | 作成日時：2023年10月12日 2時
