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｢俺と指相撲しよ？お願い…｣
｢嫌だ｣
内村君は何かと私に勝負を仕掛けてくるのだ。
内村君の友人である元木君の話によると
毎回、元木君と勝負をすると必ず負けるかららしい…
だからといって仮に勝負したとしても
男女の力差というものがあるでしょ…と
私はいつも思っている。
｢この本…後で俺が読み聞かせしてあげるから！｣
｢読み聞かせしなくていいから…！！｣
｢だから俺と指相撲するのが先！｣
この人、人の話聞いてない…！と思いつつ
内村君に読もうとしていた本を取り上げられ
何故か向かい合わせにさせられる。
結局、今日も勝負する事になってしまった…
｢で、今日は指相撲なのね…｣
｢うん…｣
"この前、湧に負けちゃって…"と内村君が
ボソリと言っていたのを私は聞き逃さなかった。
｢ルールはAさんの利き手と俺が反対の手で
指相撲をして負けたら勝った人の言う事を聞く！｣
｢それでいいよ｣
とりあえず、この勝負から早く終わらせたくて
済ませようと指相撲の準備をしていると…
｢…あの内村君｣
｢ん〜なに？｣
彼は知らん顔をしているが…何でさっきまで
向かい合わせになっていたはずなのに隣にいるの？
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作者名：水瀬 | 作成日時：2023年10月12日 2時
