第3話｢絵しりとり｣ ページ17
*
*
｢今日はプランクトンを顕微鏡で見てスケッチして下さい｣
私の通う高校は理科の授業が生物・化学・
物理・地学の4つの選択肢に分かれて授業を行なう。
その4つの中で生物を選択したのですが…
｢Aさんスライドガラス用意して！｣
目をキラキラと輝かせながら言う内村君…
ここでも私の運は本領発揮してしまい
生物の授業でも一緒で…さらには隣同士なのだ。
｢わ、分かった…！｣
とりあえず授業に集中し気持ち切り替えた私は
スライドガラスを取りに先生の所へ向かった。
*
*
*
*
*
｢…これで大丈夫かな？｣
スポイトを使って水槽から生きたミジンコを取り
スライドガラスに入れ始める前に渡されたプリントを
確認しながら行っていく。
｢Aさんまだ〜？｣
｢内村君いけるよ！｣
ミジンコが入っているスライドガラスを
内村君に渡し顕微鏡を使ってピント合わせてくれる。
ちなみに内村君の得意科目は理系で
元木君の話によると中学の時に
高校生の範囲まで数検を取っただとか…
念の為本人にも聞いてみた所…
｢うん！本当だよ〜！だからテスト前なんか
数学の勉強なんてした事ないけどな〜｣
…なんて不思議そうに言っていたのを今でも覚えている。
｢Aさん出来たよ！｣
どうやら私が回想入っている間に準備が整ったのか
内村君は早くと言わんばかりに目を輝かせながら
見つめてくる…ほんの一瞬だけ犬に見えました。
｢じゃあ最初に…｣
気を取り直してプリントを見ながら
ミジンコ全体の形と動きを顕微鏡を覗いて観察する。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水瀬 | 作成日時：2023年10月12日 2時
