31,バタフライエフェクト・成 ページ19
「───メッセージは血を使って指で書かれたものだったが、文字の大きさは山本の指の太さよりも細かった」
「───仮に山本を連れて行ったのが犯人だとしてもメリットがねえ。メッセージを消し、口封じが済んだ以上、荷物を抱えながら逃走したところで誰かにばれる確率が高まるだけだ」
答えを聞かされようやく彼らは口を閉ざした。
そして安堵する。
───山本武は、生きていると。
もう不安が無いかと問われれば、その答えは否だ。だが、安心できる。
「──────」
先ほどから一言も喋らない、彼らのボスのおかげで。
彼の顔を見た瞬間、守護者達は筆舌に尽くしがたい妙な安心感に満たされた。安心する、とは違う。どちらかと言うと、安心させられるような感覚。
理由なんてわからない。そう思ってしまったから仕方がないのだ。
「九代目に継承式を開いてもらおう」
「十代、目?」
「!!」
彼の雰囲気はいつもと違っていた。あの常に何を考えているかわからないリボーンですら、驚きをわかりやすく露にする程だ。
「犯人はきっとまた、オレの友達を、仲間を襲ってくる。・・・・・・ううん。そもそも相手はとっくに手を出している。許すわけにはいかない‼」
「───犯人は必ず捕らえる、今度はこっちから仕掛けるんだ!!」
「十代目・・・・・・」
「沢田・・・・・・」
「ボス・・・・・・」
(あの常に受け身であるツナが、自分から攻勢に出るとはな)
その顔には、確かな覚悟があった。負けるつもりは毛頭ないと。
ヘタレで泣き虫で、戦う時はいつだって、どうしようもない状況に陥ってからだった。
だが、今のツナはボスだった。
自身の怯えは他所へ置き、仲間の為に拳を振るう。
さりとて怒りに身を任せず。犯人は殺す倒す以前に、捕まえるのだと。
マフィアのボスとしては甘いにも程があるだろう。手を出しただけでも報復はあるというのに、身内を傷つけられてもこの有様。
だがそれでもボスだった。
マフィアとしてのボスは失格だが、ボンゴレ十代目ファミリーとしてなら、彼はボスだ。
彼らは思考を切り替える。意思は一つ。
犯人を捕らえるのだと。
それを見て、リボーンはつい笑みを浮かべた。不謹慎なのはわかっている。それでも教え子の成長は喜ばしかった。
ツナの発言もそうだが、何より。リボーンすらも確信を得たからだ。
まさしくすべてに染まりつつ、すべてを飲み込み包容する大空。
(でかくなったな、ツナ)
━
これじゃない感がすごい
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もも(プロフ) - 更新してください待ってます (2014年10月29日 16時) (レス) id: f430977dea (このIDを非表示/違反報告)
偽帝鬼 - 更新してください (2014年3月22日 21時) (レス) id: d8386d5359 (このIDを非表示/違反報告)
ラル・ミルチ - 面白いです。よければお友達になってくれますか?後できればタメ口で (2014年3月15日 2時) (レス) id: 21229c9dd3 (このIDを非表示/違反報告)
羽衣狐 - コウシンシテクダサイ (2014年2月15日 17時) (レス) id: 7e6b2d22c4 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 更新がんばってください (2013年11月21日 15時) (レス) id: 16f383e127 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルマ | 作成日時:2013年4月8日 15時