【死柄木弔】ヤられかけたら恋された。 (ページ3)

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｢アンタに...ｯ！何がわかる！！！｣

つい大声が出る。
10数年ぶりの冴え冴えとした視界と感覚に心が震える。

｢...顔？格好？年？制服？髪型？髪色？こんな時間だから？ねぇ、どこで！あたしを決めているの？教えて｣

｢中身を見てよ！！！！｣

振り向いて見据えた彼の瞳は破壊と無邪気を讃えた濁った希望だと思えた。
どうせ死ぬんだ。この殺意と無邪気、破壊の塊のような彼に想いを吐き出して、全部壊してもらおう。

この人みたいになりたかったのかなあ。

今更遅い強烈な憧れをもまとめて殺して欲しかった。

しかし、覚悟と相反して彼はなんと、

｢ッハッハハ！なんだお前？｣

笑ったのだ。

からからと。空よりも晴れた笑いをしていた。

｢お前、死にてえの？｣

警戒心を解かれて、あっという間に間合いに入られる。
近いとか、そういうことを考える暇もない。

4本指で首をゆっくり撫ぜられる。

あ、殺される。

本能で思わず手首を掴む。
｢あなたみたいに、なりたい...｣

思わずそう呟いて、意識が、途切れた。