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窓から注ぎ込む太陽の光が頬にあたり、目を覚ます。
涙のシミが枕に出来ていることに気づき、ため息をついた。
いつも通り、朝六時に起きて学校へ行く準備をする。
制服に着替えていると、ふとリモコンに目がいった。
ソファにゆったりと座ると鈍い音を立てて沈んだ。
「え、」
テレビに映ったのは、囲み取材を受けてい彼。
目を擦っても、擦っても。
どう見てもリョーマだった。
「え、なんで、え？」
流れているのは完全な日本語。
彼は帰国子女だから英語はペラペラ。
アメリカにいるのなら、英語で話しているはずなのに。
心臓がうるさい。
「越前選手、明後日からの大会への意気込みを教えて下さい！」
「あー、とにかく頑張ります。色んな人から応援されて送り出されるんで。」
あぁ、リョーマだ。
数日会わなかっただけなのに、こんなにも目尻が熱くなる。
遠くに行っても、彼は彼だ。
私を置いていっても、彼は彼だった。
私の愛おしい彼のままだった。
「最年少での出場ですが、その点はどう考えていますか？」
「どうとも考えてないです。ただ、大事な人を置いていくんで、タダでは負けられないなって。」
一つずつ、一つずつ。
制服にシミを作っていく。
腕が微かに震えて、思わず自らを抱きしめた。
「大事な人、ですか。それは恋人だったりするんですか？」
「まあ、そうっすね。俺の事をずっと支えてくれてきた人なんで。その人のためにも、って思ってるんすけど…」
「どうしましたか？」
「いや、そいつにアメリカに行くって伝えてなくて。
きっと俺以上に喜ぶんすけど、泣くと思うんすよね。あいつの事だし。
俺の一番はそいつで、そいつがいるから俺はテニスを頑張るっていう。
俺の中のサイクルはそんな感じなんです。
あーーー…ここカットでお願いします。」
流れ出した涙は止まることを知らなくて。
テレビに映ったリョーマの顔が、涙で歪んで見えない。
震える声で、彼の名前を呼ぶ。
泣いてたら「何泣いてんだよ」って私の髪の毛ぐちゃぐちゃにしたじゃない。
それで優しく抱きしめて、「大丈夫だよ」って言ってくれたじゃない。
彼が、酷く愛しい。
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鄰 - とぉーーーーっても面白かったです！愛情の切なさが、ひしひしと伝わってくる作品でした。完結、おめでとうございます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 4fb606c628 (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - よさん» コメントありがとうございます！わああ、、具体的にありがとうございます（；；）これからも全力で書きたいものを書き続ける予定ですので、応援よろしくお願いします！ (2018年4月6日 21時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
よ(プロフ) - すごく面白かったです！一文一文が丁寧に書かれていて、なんていうか綺麗でした！！！！！！笑 これからも楽しみにしてます！ (2018年4月6日 21時) (レス) id: c452f86a4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2018年4月3日 16時
