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菊丸とお饅頭を頬張りながら他愛もない話をしていると、楽屋にノック音が響いた。
「Aちゃん、いるかしら？」
「あ、亜実さん！」
ドアを開いたスタッフはAのメイク担当の永田亜実で、菊丸とAが仲良さげに話している姿に「あら」と声を漏らした。
「もうお化粧の時間でしたっけ…ごめんなさい亜実さん、私忘れてたみたい、菊丸君とお話するのが楽しくって。」
クスクスと肩を揺らして笑うAは、トップ歌手としての完璧な笑顔ではなく少し幼さの残る年相応の女性の笑顔だった。
そんな"平野A"としての笑顔を見れた気がした菊丸は、心底安心したように微笑んで静かに立ち上がった。
「じゃ、Aちゃん。また収録でね！」
「えぇ、ありがとうね菊丸君。」
控えめに口角を上げながら永田に頭を下げて楽屋から出て行った。
「Aちゃん、お顔の疲れ少し取れたみたいね。」
「本当ですか？亜実さんに言われたんだもの、きっとそうね。」
鏡台越しに見るAの表情は確かに菊丸と会話を交わす前より明るく血色が良くなっており、Aはほっとした様に息を吐いた。
(菊丸君に感謝しなくっちゃ。菊丸君の為にもお仕事頑張らなくちゃね！)
うんうん、と納得するように何度も頷くAを微笑ましく見つめていた永田はゆっくりとAの髪の毛を整え始めた。
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「松田Aさん入ります！」
元旦の撮影とあって、Aは深い臙脂色に多種多様な花柄があしらわれている美しい振袖を着用していた。いつもは下ろしてウェーブを掛けている髪の毛もアップヘアにしていた。
真っ白な肌に、真っ赤な口紅に、真っ黒な髪の毛。
色っぽさが着物から覗く項によって倍増させられており、着物を着つけた永田でさえもAの姿に思わず視界が揺らいだ。
「Aちゃん、今日本当に綺麗よ。元がいいとなんでも似合っちゃって、こっちも腕が鳴るわ！」
「そんなそんな！亜実さんのお化粧がすごくお上手だから…」
A自身、化粧が得意な方ではない。
そのため、まるで芸術作品を作るかのように自らの顔を一から整えてくれる永田には感謝してもしきれない。
「わ、Aちゃん！」
振袖を揺らしながら振り返ると、キッチリとした袴を身に纏う菊丸がAをうっとりと見つめていた。
そしてその後ろに、菊丸より少し背丈の高い男性が談笑しながら歩いていた。
Aは小さく微笑んだ。
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桜田 しおり(プロフ) - も執筆中です。これからも桜田しおりをよろしくお願いします。 (2019年3月31日 0時) (
レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 更新停止という形で一時完結になります。また時間がありましたら、地道に更新していく予定ですのでどうぞよろしくお願いします。また時間がありましたら、中編レベルの作品も更新していく予定ですので、、そちらの方もよろしくお願いします。ただいま「我儘」という作品 (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 一時更新停止という形でお休みさせていただきたいと思います。今作を楽しみにしてくださる方には大変申し訳ございません。ですが有難いことに私生活の方が多忙で、その多忙の中で書く作品は私も面白くないですしきっと皆様も面白くないと思うんです。ですので、今回は (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - コメントで失礼させていただきます。ラブソングを貴方に、を閲覧してくださった方本当にありがとうございます。作者の桜田しおりと申します。今作は思っていた以上に長く続く作品となりましたらいい。来年度からまたより一層忙しくなる事が予想されます。ですので今作は (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 、さん» ありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！応援よろしくお願いします。 (2018年12月29日 10時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2018年12月26日 0時
