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「私の背負ってる物なんて、ちっぽけな物です。ただ私の自尊心が崩れないように、壊されないように。守ってるだけなんです、私自身を。」
間違ってはいない、Aは息を吸った。
吸った同時に気管が変な音を鳴らしたけれど、気付かない振りをした。
「私の見てる物だって、たかが知れてるわ。…所詮小さな世界なの。その中で皆窮屈そうに息してる、決して絶えないように…よ。」
カタン、とAの腕にある二本のお酒が揺れた。
「……私は戦う事も出来ない、勝つ事も負ける事も出来ない。…弱い部類にも入れないただの意気地無しです。」
絞り出すようなAの声がコンビニに出入りする音に紛れて幸村の耳に届く。
悲痛で、虚無感を感じるAの声に幸村は激しく動揺した。
幸村の告白が、Aの何かに触れてしまったのかと思考を働かすが原因が幸村には全くと言っていいほど分からなかった。
真っ直ぐで綺麗な黒髪から覗く長い睫毛が震えているのを幸村は視界に入れながら息を飲んだ。
「幸村さんが思ってるような人間じゃないんです、私は。」
弱々しく微笑んだAは、明らかに松田Aを装っていて幸村の心は酷く傷んだ。
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明確な返事は貰えなかったものの、確実にAからは拒絶の雰囲気を感じた。
幸村の事を拒絶しているのではなく、AはAを拒絶しているのだろう。幸村は直感的にそう感じた。
(どうすれば、俺は彼女を救えるのか。)
Aを知りたいと思う感情に名前を付けるのなら、なんと付ければいいのだろうか。
"愛"か、"慈愛"か。"友情"なのか、それとも他の何かか。
幸村の語彙は明らかにそこに達していなかった、幸村はあからさまに落胆した様に肩を落とした。
松田Aは、誰よりも強い。
そして、誰よりも弱い。
それを悟られまいとAは笑顔を貼り付けてカメラに向かう。期待に応えよう、と。手の届かない存在でいよう、と。
たった一日。されど一日。
幸村の心にAが滲みつくには十分な程の期間だった。
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桜田 しおり(プロフ) - も執筆中です。これからも桜田しおりをよろしくお願いします。 (2019年3月31日 0時) (
レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 更新停止という形で一時完結になります。また時間がありましたら、地道に更新していく予定ですのでどうぞよろしくお願いします。また時間がありましたら、中編レベルの作品も更新していく予定ですので、、そちらの方もよろしくお願いします。ただいま「我儘」という作品 (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 一時更新停止という形でお休みさせていただきたいと思います。今作を楽しみにしてくださる方には大変申し訳ございません。ですが有難いことに私生活の方が多忙で、その多忙の中で書く作品は私も面白くないですしきっと皆様も面白くないと思うんです。ですので、今回は (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - コメントで失礼させていただきます。ラブソングを貴方に、を閲覧してくださった方本当にありがとうございます。作者の桜田しおりと申します。今作は思っていた以上に長く続く作品となりましたらいい。来年度からまたより一層忙しくなる事が予想されます。ですので今作は (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 、さん» ありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！応援よろしくお願いします。 (2018年12月29日 10時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2018年12月26日 0時
