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(偶然にも程があるじゃない…)
帽子を深く被りマスクをする。芸能人らしい変装をしてるAが小さく咳き込んだ。
目当てのお酒と、お酒のお供を買うために商品棚を凝視してAの好みのものを探す。
「Aさん、」
「はい？」
Aの方を見た幸村は儚げなくらい美しくて、思わず頭がクラリと揺れた。
収録の頃と全くと言っていい程印象の違う幸村にAは少しだけ不信感を抱いた。
「幸村さん、あの、スタジオの時…私少し言いすぎてしまいました…すみませんでした。」
Aは自分でも面白いほどにスルスルと出た謝罪の言葉に酷く動揺しながら、少し距離のある幸村に頭を下げた。
Aの信念とズレていようとも、A自身の事を想ってくれた人に突き放す様に告げたのはあってはならない事だった。
好いてくれるのは痒くても、嬉しい事だ。素直に礼と謝罪を告げようとAは思っていた。
「ふふ、良いんです。女性にそんな事を言わせるなんて、俺もまだまだだなぁ…」
「…っ、あの」
幸村の薄い唇がゆっくりと開かれる。
「言い訳かもしれないけど…いや、これは俺の独り言だから、寂しい男の独り言だと思って流して欲しい。」
ね？と薄く微笑んだ幸村にAの心が揺れた気がしたが、それに気付かない様にサッと視線を移す。
「俺はプロの世界に入ってずっと海外で生活してるんだ。正直に言って、日本の芸能界の事とか知らないだ。…だから、Aさんが何を背負って何を見てるかなんて、俺には何もわからない。」
「…」
Aはポツリポツリと言葉を零す幸村を尻目に黙って商品棚を探る事しかできなかった。
やがて、Aのお気に入りのお酒とお供を手に取りその場に立ち尽くして幸村の言葉を待っていた。
(私が何を背負って、何を見ているか…か。)
「その何かと戦ってるAさんがいつかの俺に似ていたから、Aさんに惹かれたんだ。…はは、高校生みたいな、こんな……すいません。」
ぎゅ、とAの籠を握る手に力が入った。
誰かに好かれるのは幸村が初めてではない。
その筈なのに、こんなにも慈愛の気持ちが溢れ出るのは初めてでAにも訳が分からなくなり言葉が出てこなかった。
どうしようものか、Aはゆっくり瞳を閉じた。
理想とは程遠い告白の場、微かにAの口角が上がった。
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桜田 しおり(プロフ) - も執筆中です。これからも桜田しおりをよろしくお願いします。 (2019年3月31日 0時) (
レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 更新停止という形で一時完結になります。また時間がありましたら、地道に更新していく予定ですのでどうぞよろしくお願いします。また時間がありましたら、中編レベルの作品も更新していく予定ですので、、そちらの方もよろしくお願いします。ただいま「我儘」という作品 (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 一時更新停止という形でお休みさせていただきたいと思います。今作を楽しみにしてくださる方には大変申し訳ございません。ですが有難いことに私生活の方が多忙で、その多忙の中で書く作品は私も面白くないですしきっと皆様も面白くないと思うんです。ですので、今回は (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - コメントで失礼させていただきます。ラブソングを貴方に、を閲覧してくださった方本当にありがとうございます。作者の桜田しおりと申します。今作は思っていた以上に長く続く作品となりましたらいい。来年度からまたより一層忙しくなる事が予想されます。ですので今作は (2019年3月31日 0時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
桜田 しおり(プロフ) - 、さん» ありがとうございます！ご期待に添えるように頑張ります！応援よろしくお願いします。 (2018年12月29日 10時) (レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2018年12月26日 0時
