9. そうだね ページ9
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「幸村君があんなに声を荒らげるところ、初めて見たぜぃ。」
まるで時が止まったかのように
病室の前で佇んでいた。
丸井の言葉で皆生気が戻ったかのように息を飲んだ。
「…それだけ、精市は苦しんでいるということだ。」
柳は俺たちにはわからないくらい、と小さく呟いた。
「…私たちに、出来ることって、何だろう。」
「A先輩、」
泣かないで下さいよ、と言って私の零れた涙を掬った。
違う泣きたいわけじゃない、違う違うの。
私が泣くのはお門違い。泣きたいのは幸村の方。
私の頭に微かに感じた重み。
「にお、」
「泣くんじゃなか。もっとブスになるぜよ。」
「…るせーよ、っ、」
仁王なりの励ましだって、そう考えてあえてスルーした。
ただのマネージャーが泣いていいわけない。
レギュラーの皆や、テニス部の皆。
一緒に戦ってきた戦友が一番痛みがわかるはず。
マネージャーはその人達を支えることしか出来ない。
だから私が泣いていいわけない。
こういう時こそ、マネージャーは働かなきゃいけないんだから。
「真田、」
真田の目の前に腕を組んで仁王立ちをする。
さあ、どう出てくる真田よ！！！！！
「何だ。」
普通の反応(⌒▽⌒)(⌒▽⌒)(⌒▽⌒)(⌒▽⌒)
「今は勝つことしか出来ないよね。私はただのマネージャーだから、わかんないけど。
今は練習して、最高の形で幸村を迎えるのがいいんじゃないかなって思うんだけど。」
若干恥ずかしくて、顔を背けた。
すると、真田がフッと笑った。
「平野の言う通りだな。」
真田が優しく強く微笑んだ。
「俺達は勝つしかない。勝って、平野の言っていたように最高の形で幸村を迎えよう。」
真田の言葉に賛同するように
レギュラーがどんどん立ち上がる。
目尻が熱くなった、何てね。
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桜田 しおり(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます！他の作品も更新中ですので、ぜひそちらの方も、、 (2018年10月23日 23時) (
レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 更新頑張ってください！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: d90be8f0f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2017年7月15日 23時
