14. 戻って ページ14
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幸村のお母さんとお父さんがいなくなった病室には、テニス部と私と幸村だけ。
話すことなく、ただじっとその空気に流されている。
ふと、幸村の方へ足を進めた。
「…幸村、」
麻酔が効いていてまだ目が覚めない幸村の頬に触れる。
前よりもなくなった筋肉。
前よりも白くなった肌。
前よりも細くなった身体。
この全てが幸村の辛さを意味している。
そう思うと涙が止まらなかった。
「…っ、幸村ぁ…、！」
ベッドの脇に膝立ちになり、幸村の胸に顔を埋める。
ふと頭に重みを感じた。
「A…、何、泣いて、る、んだ…い…」
ぱっと、顔を上げると、幸村と目が合った。
幸村のせいで、涙が止まりそうに無い。
柳は冷静にナースコールを押し
他の部員は幸村の目覚めに歓喜の声を上げた。
「部長ぉおおぉぉおおおっっ！！！！」
「赤也、静かにせんかあああああ！！！！」
「真田が一番うるさいナリ。」
「なんだと、仁王？」
「まあ、落ち着けって、な？」
何だか色々歓喜あまって幸村に抱きついた。
「幸村の馬鹿野郎。クソ野郎。病弱。」
「うん、」
「…コートに戻ってこいよ。」
「うん、」
「じゃないと私マネージャー辞めるよ。」
「それは…こま、るなぁ…」
仁王の冷やかす声があったのは気のせいだと見逃してあげたかったけど、赤也も悪ノリしてきたからあいつらあとでしばく。
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桜田 しおり(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます！他の作品も更新中ですので、ぜひそちらの方も、、 (2018年10月23日 23時) (
レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 更新頑張ってください！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: d90be8f0f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜田 しおり | 作成日時：2017年7月15日 23時
