13. マネージャー ページ13
.
.
「A、お前さん泣きすぎじゃ。
涙拭かんかい。ほれ、雅治くんがタオル貸してやるぜよ。」
こんな泣く予定じゃないのに、何でだろ。
「るせぇよ、泣いてぇって。」
マネージャーがこんなに喜怒哀楽を表していいのだろうかって疑問に思う時がある。
でもこれが私だから、と言ってスルー。
「…すまなかった、平野。」
「あ？ホントだよ。お前に怒鳴られるなんてもう卑劣すぎ。」
ほらみんな笑った。
真田が拗ねてるからジャッカルが励ましてる。
丸井はそれ見て笑ってる。
赤也は柳に慰められてる。
仁王は私に変顔してくる。
柳生はみんなをみて微笑んでる。
これが立海大付属中学校テニス部なんだよね。
これでいいんだよね。
「平野、だが、幸村が。」
「あぁ、あいつか。みんなで話に行こう？」
普通のトーンで言うから、真田が大きく目を見開いた。
え、なんかダメだった？
「いや俺ら怒鳴られただろぃ？」
「…あー、」
確かに怒鳴られたけど
あれはテニス部に怒ってたんじゃなくて幸村自身にキレてたんだと思う。
怒鳴ることでしか自分を守れない、未熟さに幸村は怒ったんじゃないかなって思うけどまぁ私なりの想像だし結局は自己満足になってしまうから。
幸村の口から、聞かなきゃわからないよ。
＊
「手術は無事成功、か。」
こらからは幸村を辛いリハビリが待ち受けている、と医者の方は言った。
それでも手術が成功した事が嬉しくて、頬に涙が伝った。
雑な扱いしてるけれど
これでも幼馴染みだし憧れでもあるから
その人がまた楽しそうにテニスをしてる姿を見れることが嬉しかった。
幸村の広い病室にテニス部レギュラーが全員入ると多少混雑する。
みんな試合のあとだしくせえ！！！！！
「あ、Aちゃん。」
「幸村のお母さん！！！！」
「精市、無事に成功したの、本当に良かったわ、本当に…っ、」
幸村に似た綺麗な瞳を涙でいっぱいにして、まるで少女のように笑う幸村のお母さん。
辛かったのは幸村やテニス部だけじゃなかったんだと改めて実感した。
(そうだよ、テニス部の私たちより、家族の方々のほうが幸村と過ごした時間は長い。だから私たちより何千倍も辛かったんだよね、)
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜田 しおり(プロフ) - 雫さん» ありがとうございます！他の作品も更新中ですので、ぜひそちらの方も、、 (2018年10月23日 23時) (
レス) id: ef32a79d1d (このIDを非表示/違反報告)
雫 - 更新頑張ってください！ (2018年4月13日 23時) (レス) id: d90be8f0f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜田 しおり | 作成日時：2017年7月15日 23時
