【電車内の会話 妹視点】 ページ5
――何処かの山の上で散りばめられた星達を見つ
める
隣には，"彼"も居て目を輝かせ唖然としして
いる
《…綺麗やな……》
星を見ながらぽつりと呟く"彼"
《…………ふふ》
私はその顔を見て少し笑ってしまう
《な，なんで笑うん？》
"彼"は少し焦り気味に照れながら言う
《いや，やっぱり私は×××の事が好きなんだな
って》
私は頬を染めながら言う
《い，いきなりやな…》
"彼"は夜でも分かってしまうほど，頬を真っ赤に染める
《…あ，あんたが俺を…す……好きって，言うんな
ら……その…俺は…………》
――――――――――――――――――――
――ｶﾞﾀﾝ――ｶﾞﾀﾝ――――ガタンｯ！！
一際大きい揺れが起こり，薄れかけた意識が強制的に戻される
いけない……寝かけてた
閉じりかけた瞼を擦り，目を醒まさせる
…なんで，寝かけてる時に限ってあの時の夢を見易いのだろう？
どうせなら，完全に寝ている時に見たい……
心の中で，そう愚痴を溢す
幸せな夢は長く見たいものだしね
……今の私，絶対頬緩んでる
頬の緩みを誤魔化すために，華奈の方を見る
華奈は手を組みながら，すぅすぅと小さく寝息を立てて寝ていた
……まったく，幸せそうな顔して寝て……私と同じような夢でも見てるのかな？
けど，そろそろ起こさないと
『姉さん，起きて 姉さんったら』
肩を軽く揺すって起こそうとするが，一向に起きない
……いくら朝起きるのが早かったからって，深寝し過ぎだよ……しょうがない
私は華奈の耳本に顔を近づけ，息を少し吸う
『華奈！起きて！』
そう耳本で言うと，ガクンと体を硬直させ，崩そうだった体制を直す
『んぁ……真琴？おはよ』
目を擦りながら，こちらに顔を向けてくる
そんな彼女に苦笑をしながら言葉を発っし，読んでいた本に視線を戻す
隣からふふっと声を押さえた笑い声が聞こえてくる
………やっぱり同じ夢みてたんだ
じゃないと，あんな顔しない
……けど，そろそろ気を引き締めさせないと
私は心の中で深呼吸をする そして口を開く
自分から発せられた声，言葉，表情は自分の物とは思えないものとなっていた
そして華奈は，"仁"の名前で返してきた
……やっぱり私が思っている事，分かってる
ﾋﾟｨﾝﾎﾟｫﾝﾊﾟｧﾝﾎﾟｫﾝ
｛間も無く，○○駅〜，○○駅に到着します｝
……着いたか
私は華奈に声をかけ，腕を組む
…これからが始まり…やってやろうじゃない
待ってて"苦労人さん"
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時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年1月27日 18時) (
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作者名：マオン | 作成日時：2020年8月3日 16時
