ひ か く《稲荷崎》

比較15 ページ16

紗奈side


紗奈「ぇえ!?お姉ちゃん辞めるん!?」


宮侑「おん」





まじか…




仕事ちゃんとやらなあかんやん！







紗奈「ちょっと残念やわ…」





でもまあ紗奈が邪魔されることないからラッキー♪









それにしてもなんで辞めんねやろ









『紗奈いる？言いたいことがあるの…』


「うわ誰あの美少女」

「紗奈のお姉ちゃんでしょ？あんなに美人なんて聞いてないよ…」






お姉ちゃんが前髪上げてる


私よりもお姉ちゃんが可愛いだなんて認めない




紗奈「居るよ！どうしたの？」


『ちょっと、来てくれる？』









『で、話なんだけど』


紗奈「はよ言って」


『わ、私ね、バレー部のマネージャー、辞めることにしたの』


紗奈「知ってるよ」

『あ、そっか、なら大丈夫』



そう言ってお姉ちゃんは教室を出た。





「なーなー紅月今の人ってお前のお姉さんだよな!?連絡先教えてくれよ！」

「あ！私も！」

「俺も俺も！」




これ、いつもお姉ちゃんがされてるような感じなのかな



屈辱でしかない。





紗奈「お姉ちゃん超絶性格悪いからやめとき？ほんま後悔するで」




遠ざけることしか出来へんのがむかつく。



「ちぇー、がっかり」








こうなるから、前髪下げといて欲しいねん




中学ん時はお姉ちゃんは前髪を上げていた。







毎日の様に、お姉ちゃんの連絡先を聞かれた。




お姉ちゃんに負けた気がしていらんかった。









紗奈「お姉ちゃん前髪下げたら？その方がにおうとるよ！」

『え、ほんま？じゃあ、伸ばしてみるわ』









悔しかった。






本当はお姉ちゃんの方が可愛いなんて。







自分よりもお姉ちゃんの方が優れてるなんて。









紗奈は、みんなに好かれるために、


明るく振舞って





俗に言う「一軍」と言う奴まで登りつめた。






全ては嫉妬から生まれた。








でも、なんでやろ。




何も満たされてへん。

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