嫉妬 ページ15
今回の合同任務では縁壱を合わせてモブ二人の計三人であった。
そして昨晩鬼を斬り終え、今は藤の家で朝ご飯を食べている最中である。
が‥‥
「はぁ‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
何があった。ここにいる縁壱以外誰もが思っていることである。口には出さないが。
いつも虚無な顔なのに今の縁壱は、溜め息をついてズーンと何やら落ち込んでいる感じである。
「(お、おいっ!日柱様どうしたんだよっ?!)」
「(知るかよ!最近ずっとじゃねぇか!)」
このモブ二人の特技は話さなくても心と心で会話出来るのである。そんな凄い特技があるのに何故モブかは知らない。
「(縁壱様の悩みって何かわかるか?)」
「(知らねーよ!どうせ月柱様の事だと思うわ。あの人ブラコンだし)」
このモブ二人の特技は戦国時代なのに現代語を使える事である。もはやこいつ等何なの?と思いたいが抑えてほしい。
「‥‥‥兄上は何故‥何故‥‥」
「(オイ、何か言ったぞ!)」
ぶつぶつ「兄上‥兄上‥」呟く縁壱に恐怖を感じたのか遂に勇気あるモブの一人が口を開いた。
「あ、あのー‥日柱様は月柱様の事で何をお悩みになっているんでしょうか?」
するといきなりバッと縁壱は顔をあげた。その時の縁壱の血迷った目に勇気あるモブが「ひっ‥‥」と悲鳴をあげた。
「何故‥私が兄上の事で悩んでいると‥‥」
「(いやアンタずっと、兄上兄上ってぶつぶつ言ってたじゃねぇーか!」
「(嘘だろ、無自覚で言ってたんかよ)」
「実は‥」
縁壱は悲しそうに目を伏せた。その雰囲気にもしかしてコレは真面目な悩みじゃ‥とモブ達は察す。
「兄上が‥兄上が‥」
声が震えて上手く言えないのだろう。さっきまでブラコンとか思っててごめんな。ホント。
「兄上が‥この前、町娘と親しげに話させていた‥‥」
まず心配した俺らに謝ってほしい。やっぱこの人ブラコンだわ。
「何故です?何故‥兄上‥‥」
ポトッと箸を落とし縁壱はその場で土下座する姿勢で泣く。大の大人が大泣きだ。
「(えぇ‥泣いちゃったよ日柱様)」
「(っていうか病んでねぇか?日柱様病んだら色々と終わりだぞ?)」
「アニウェーアニウェー」がもはや何かの鳴き声に聞こえる。それが末期だと理解したモブ達は軽く落ち込んだ。
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メルア - あのー、黒死牟の牟が間違えてますよぉ (2022年1月4日 19時) (レス) id: a1a94a6f52 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - …ん?今頃気付いたけど、私のリクエストって変態のやつなのでは(自覚してなかった人) まぁ…私は兄上依存症な縁壱が見たいのですがね()更新頑張って下さい!! (2020年7月6日 19時) (レス) id: 20805bb7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるりる - 縁壱さん受けを作って貰えますか? (2020年7月3日 22時) (レス) id: d424947d4f (このIDを非表示/違反報告)
落灰 帳 - え?あれ?あなた様は神ですか?………素晴らしい作品をありがとうございます!!!!僕の好みのど真ん中です!更新頑張ってください!! (2020年6月21日 11時) (レス) id: 5800f98eba (このIDを非表示/違反報告)
ひろか(プロフ) - 私も頭から離れず授業中ニヤニヤニヤニヤしておりますw暑すぎてミニ扇風機が欠かせませんね。授業中にも関わらずブォンブォン言わせながら授業受けてます(( (2020年6月15日 23時) (レス) id: d204de565a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来世から頑張る。 | 作成日時:2020年3月2日 17時