番外編3 タバコ ページ42
ーー
「ロシ〜!任務から戻ったわ…っ
!げほっ!なに?!このけむり!」
「ぇあっA…!げほげほ!」
部屋に充満する煙に耐えきれず、Aは急いで部屋の窓を開け放ち
原因だろう恋人を見るが
「んなあ?!」
「え?うおお?!」
その恋人の肩は、なぜか燃えていた。
「え?は?!と、とりあえずっ」
ばしゃ!!
「…」
「…」
ーー
海水がしたたるロシナンテにタオルを被せる
「…久しぶりにこんな怒涛のドジをかましたわねえ?
で、この原因は?」
「うぐっ
…これ…デス」
「?」
海水でしなっしなになった、縮んだそれをロシナンテの手のひらからつまみ上げる
「これ、タバコ?」
「…ぉぅ」
しゅんとなっている彼に見向きもせず、つまみ上げたシケモクをじぃっとAは見つめた
…しばらくして、ようやく彼女はロシナンテに視線を戻す。
「なんで急にタバコなんて吸う気になったの?
前まで興味なかったじゃない」
ロシナンテはぎくっとして、目線をそらした。
ーーー
先日
『おいみろよ、白竜大将だ…』
『遠目から見ても美人だよなあ、女神とかって異名ハマりすぎててこええや』
『あれで俺らとおなじ17歳!…大人っぽいよな』
『(…Aが大人っぽいかあ
…俺の前じゃ年相応なんけどな…)』
たまたま通っていた廊下で、ふとそんな会話を耳にしたロシナンテは彼らと同じように窓の外を見た
…その向こうには、港で軍艦に乗り込もうとしているAの姿。
『!』
いつもの屈託のない笑顔も、ほぐれた雰囲気も何も無い
凛と、ぶれすに歩を進める姿は大将の威迫を帯びていた。
…誰よりも近くで彼女を見守り続けてきたロシナンテだってその大将としての姿を見ていないわけではない
ただ改めて遠くから眺めてみる彼女の姿は、
たしかに、同年代を頭数十個ぶんも抜きん出た『大人な女性』に見えるのだった。
『ロシナンテさんと恋人らしいな』
『たしかにあの人も若くして出世街道まっしぐらだけど
白竜大将相手だとなあ』
『…』
ーーー
「それで大人なイメージをつけようと…
タバコ?」
「う…」
ため息をつくAをロシナンテは眉を下げながら見上げた。
「…タバコ、きらいか?」
きょとん、としてから
にいっ、と彼女は笑った。
「…ロシーの香りになるっていうなら
好きになるかもね。」
「!!おま…っ!」
…それから以後、彼とのキスは
タバコの香りに包まれることがふえたらしい。
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ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます!!ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです!今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします!! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません!感想すごくすごく嬉しいです!!気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました!凄く面白くて、読んでいてワクワクしました!続編、お待ちしてます! (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです!続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます!この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます!続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね! (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2019年6月24日 23時