【ONE PIECE】海軍大将は海の女神も務めます陸【ロシナンテ】

266話 ページ32

シャッキーさんが何か呟いたその時、私たち以来に扉の開く音がした。

｢…ふふ、神様はわかってるのねぇ｣
｢え？｣

客の割には静かな誰かの方をずっとシャッキーさんは見つめているので

我慢できず、私とロシーも振り返ったのだ。

｢…っえ…｣
「まさか…｣
…

…



『私に、君を傷つけることは出来ない』


｢……シルバーズ…レイリー…｣

｢………これは、驚いたな。｣


どうやら、驚いているのは私達だけではないらしかった。


｢何ヶ月ぶりのお帰りかしら？…たまたま今、この若い二人がいるときに帰ってくるなんて

不思議だと思わない？｣

なにやら親しげなシャッキーさんの言葉にハテナが浮かびまくる


困惑する私達を面白がるように、彼女はタバコをもったまま頬杖をついて笑った



｢…レイさんはいまこのシャボンディ諸島でコーティング屋をしてるわ

元海賊同士、仲良くひっそりと暮らしてるのよ｣


｢冥王がコーティング屋…｣
｢(気持ちは分かるわロシー)…、ひさしぶりね、

たった一度きり会ったのは私が9歳の時

まさかここで再開するなんて思わなかった。｣

｢A、会ったことが…？

あ！ガープさんの船にこっそり忍び込んだ時か！！｣

｢ええそうよ｣

｢…そして、あのシャンクスとやらにAが髪を切られた時か…！｣

｢え、ええそうよ｣

オーラが黒いわ、ロシー




｢…、ああ、こちらでは君の英雄記事がひっきりなしに出回るのでそんな気でもないのだが…

そうだな、久しぶりだ。｣


白髪、増えたなぁ…

彼はやっと動き出すと、私たちの座るカウンターに一つ席を空けて座った。


隣のロシーが喉を鳴らす。


…そりゃそうだ、彼は伝説なんだから。

｢…ここ2年ほどで、君に対する評判も少し変わったようだ｣

｢…｣

｢海賊嫌いの血も涙もない死神。それが大将になるまでの君の主な評判だった｣

｢海賊の間でね｣

民衆の間じゃ天使と呼ばれていることを忘れちゃいけないわ

｢ふふ、ああそうだな。


……それが、今はどうやら血の通った人間として、恐れられながらも人気を博しているらしい｣

｢…海賊の間で？｣

にしても失礼な、涙はともかく血は昔から通ってるわ。

｢…君に認められたという海賊達が、君を神のごとく崇めているんだから、そういう噂は海の上でも広がる｣

…見逃してきた海賊たちか。

｢…、実際、今短くも再会したこの時間で私も感じている


…変わったな。｣


照れくさく思う私に、ロシーも私の手を握り微笑んだ

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