259話 ページ25
「!A、アイスが腕に垂れてるぞ」
「…ん…
?!」
ちゅ。
ロシーは、アイスが垂れた私の腕を持ち上げ、そのままま口付けた。
「…ん、取れた」
「っ…」
意地悪く見つめてきた、らしくない彼の妖艶なその目に、らしくもなく言葉が紡げなかった。
「ははは!!あー真っ赤だなあ、A」
「…ぅ、るさい!」
…たまーにこういうこと仕掛けるから油断ならないのよ。
「わあああ!おかあさんどこーー!!」
「「!!」」
私たちの座るベンチから少し離れたところで、小さな男の子が泣き叫んでいた
「…私ちょっと行って…」
「Aはここで待っててくれ、まだアイス残ってるだろ?
俺があの子のとこにいってくる」
「!うん、頼んだわ」
すでにアイスを食べおわっていたロシーは席を立って、足早に泣いている男の子のところへ向かった。
「……そーゆーとこよ。」
…好きなのは。
そして、彼らしくすっ転びながらやっと男の子の所にたどり着くと、男の子の頭をわしゃわしゃして泣き止ませようとしていた。
そのうち泣きやみ、何か話したあと、ロシーは男の子を肩車して、きょろきょろしながら歩き出した。
「やっぱり迷子かな。」
1人になった私はコーンをかじっていた。
2人が見えなくなったところで、改めて周りを見てみる
「…帽子一つで随分囲まれないものね
どんな変装でも街に行けばすぐバレたのに
…不思議だわ。」
目を閉じて最後の一口を放り込む。
その時、随分大きな人が隣に座った。
…身長的にロシーかな。
「そりゃあお前…誰だって今のお前をあの大将白竜だなんて思えるわけがねえさ
…まるでヴェールを脱いだかのように、いつもの風格が無くなってんだからな」
「そうなの…?……
って、帰ってきたんなら言ってよね、あの迷子は大丈夫…だった…の…?」
…言葉が、出ない。
「迷子ォ?…フッフッフッ
誰のこと言ってんだかわかんねえが、よく見やがれ
…おれをわすれちまったか?A」
忘れたことなんてない、
ずっと、ずっとあの事が、私の弱さを示してきた
ロシーから打ち明けられた時も、私は…本当に…死にたいほど突き刺さったの
…あなたたちを救えなかった悔しさが…!!!!
「…!!!!…ド、フィ…っ」
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ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます!!ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです!今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします!! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません!感想すごくすごく嬉しいです!!気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました!凄く面白くて、読んでいてワクワクしました!続編、お待ちしてます! (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです!続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます!この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます!続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね! (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2019年6月24日 23時