【ONE PIECE】海軍大将は海の女神も務めます陸【ロシナンテ】

248話 ページ14

広間は途端にがらんとなり、彼女の望み通り二人きりになった。



｢……聞かせてもらえるなら、喜んで聞くわ



あなたの、マザーのことについて｣


ビッグマムはじっと見つめてくる

私の中から、何かを見出すように



｢…ああ、いいだろう｣





それから彼女は、
『マザー・カルメル』について話し始めた。


マザーが自分のことをはじめて理解してくれて嬉しかったこと
巨人の土地で開く羊の家で過ごした日々のこと

その地で食べたおいしいお菓子や、仲のいい友達のこと



…何故か巨人族達が自分を嫌い、追い出されてしまったことも

ーーーー


｢それから、マザー達は俺の誕生会を開いてくれたんだ！！
大きなクロカンブッシュを作ってくれてねぇ！そりゃあ美味しかった…それまで食べたどんなお菓子より甘くて美味しかったよ｣



だが…

と、言葉を続けようとしたビッグマムの様子が、段々とまた狂気に満ちていった



｢…おれ、が…俺が、その大きな、甘い、甘い甘いクロカンブッシュを食べ終わったら…



みん、みんな…！







いなくなっちまったんだぁぁあああ！！！！！｣

｢！｣


ビリビリｯ

肌がしびれ、紅茶が揺れる



｢…覇王色の覇気…！｣

当然ながら持ってるわよねこの人も！


…しかし、この出し方は、どんな人とも違う


私はもちろんエドとも違う。









これはまるで本当に…




｢あぁああああああ！！！｣




幼子のようだわ。








｢…覇王色の使い手としても見たことない類だし








こんな母親も、初めて見る。｣


紅茶を飲み干し、泣きわめくビッグマムを見据えた。





｢……私はあなたのように子供ももてない、経験もない小娘だけれど




私が見てきた、素晴らしい二人の母親の真似なら、できるわ｣




ーーしょうがないわね…ーー









ーーーーー『海の覇者』ーーーーー

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