【ONE PIECE】海軍大将は海の女神も務めます伍【ロシナンテ】

207話 ページ17

｢お菓子づくりうまい人。｣

ずっさぁ！！


震えながら起き上がるそのフランスパンは苦笑いである


｢そ、そうだな、上手いわ俺。



…名前覚えろよ？おれはサッチだ！！｣

｢冗談よ、印象がそっちしかなくてね。



あとでまたなにか作ってもらえる？｣(微笑み

｢っ！！……。〜っ
(硬直→照れ→萌え)


…まっかせろ…っ！｣


｢？｣









ﾌﾞｩｩｳｳｳｳｳﾝ!!!



｢っ！！｣


全身に痺れが襲う感覚




｢こりゃあ、いい出迎えじゃないの｣




面白そうに笑った彼女は、たった一点だけを見つめ









同じくらいの覇王色で、押し返した。





空が割れるような響きの底から、先程の倍の衝撃が周りを襲った

近くにいた戦闘員ABその他何人かは既に泡を吹いて倒れている





｢お、親父！！A！！！いい加減にしろい！！！｣




｢…だってさ白ひげ




お互い弱くやってるとはいえ、これ以上はあんたの息子たちがやばいんじゃない？｣

｢グララ、的も定めねぇでぶっぱなしてるてめぇのせいだよ…アホンダラ｣




少し先に現れた大柄の白ひげに酒を投げ渡したところで、2人は覇気を収めた


ーーーーーーー

｢で、


3年前とは随分顔つきも違うようだが…何しに来た、A｣



荒々しく酒を流し込む白ひげを前に、Aは海水で作った椅子に座り、優雅にケーキにフォークを入れる


｢…、旅してる。｣


｢旅ぃ？？大将になって少し、忙しさの盛だろうが｣


｢無論私は忙しい。


必死に頑張って仕事して取った休みの数日の間にしているの、これからも合間を見て続けるわ｣

｢んな貴重な休みをなんのために使ってる

……旅行でここに来るなんざあ趣味がわりぃな。｣



美味しさに頬を抑えたあと、手はそのままに、表情はがらりと変わった





｢…見極めるためよ、世の海賊を｣

｢…｣





ざわつく船員はさておきAは白ひげをまっすぐ見つめ続けた








｢…幸か不幸か…あの男に私は諭された




気づきたくなかったものに気付かされ、そして選択した







私らしい正義を見つけると｣


｢…らしい？｣









｢……海賊が憎かったのは、あの男のせいで受けた 血と言葉 のはけ口だったから








そうしなければ幼い時分に心の貧弱な私は壊れていたでしょうね。｣


｢…遠回しな言い方すんじゃねえよ生意気に




そんで、諭されたおめェはどうなったんだ｣



｢………面白くないんだから｣

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