【ONE PIECE】海軍大将(将来)は海の女神も務めます弐【ロシナンテ】 (ページ7)

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54話ページ7

小鳥のように、小波のように、時に激流のように。
Aの歌声は母親に劣らず美しかった

『流れる運命

乙女は繋ぎ生命の息吹をかけん

繋げ紡げ真の者へ

運命が止まる時真の者は生まれ飛び立つ

気高き清き美しき者

四肢にかかる鎖を解かんとすれば

世界は滅ぶ

運命を繋げ

終るまで。』

終わった瞬間、Aは糸が切れたようにうなだれ、肩で息をし始めた

駆け寄る部下２人を手で制する。

｢…これは…世界全部の海を…あやつる舞だから…いつもより…疲れるんだ

毎回これじゃだめだね…体力…つけなきゃ…｣

｢…並の兵士より遥かに体力があるお嬢でさえ…｣

｢…お嬢じゃなきゃ確かに務まらねえな｣

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私の疲労状態は思っていたよりも良くなかったらしく

ギルバートに水を持ってきてもらい、マシューには体を拭いてもらってしまった。

ふと左右の脇腹を繋ぐようにある大きな傷にマシューが触れた時

彼と、隣にいるギルバートの顔がわかりやすすぎる程にゆがんだ。ー

本当に心配性だな。

｢これは私の初めての傷跡…これがきっかけであなた達を部下に出来たなら、これは初めて私が貰った勲章だよ

私は女の子である前に、海軍の兵士

私がまだ子どもで、女ってことを気にしてるならしばくわよ｣

肩を上げ高揚し、震え始めた2人は、にっと笑って良い返事をした。

ーー
｢ー…ところで、今日はこれから何するつもりなんです？｣

｢ああ、新技をね…｣

…体力が大分戻り、立ち上がろうとした時だった

稽古場の扉が勢いよく開いた。

｢む、何故海軍の稽古場に子供がおる｣

若いながらに渋く、気難しそうな顔をしている長身の男

それは見たところ新兵で、恐らく共同の訓練を終え自主訓練をしに来たと思われる。

｢(新兵…)｣

暫く離れていて忘れていたけど

そう、兵士からの疑心は終わったのではない、恐らく私が幼くいる間は終わらない。

｢どけてはくれんか。

子供の遊び場じゃありゃせんぞここは｣