52話 ページ5
半年いなかった割に綺麗にされている部屋の棚に、大切なロシーをちょこんと置く。
何となく不似合いな本達が隣に並んでいるがしょうがない。
その眺めに満足していると、ポケットに入っている私専用の子電伝虫が鳴った
｢はい、リラルドです。
うん、分かった今行きます｣
ドアのそばに立っていたマシューとギルバートは首を傾げた
｢何処へ？｣
｢センさんのところ。
本当なら元帥さんに報告しなきゃいけないくらいの話だと思うんだけど…私が話しやすいように気づかってくれたのね
…貴方達も来て、この前の話の続き｣
ギルバートはすぐに気づき、マシューは何個かテンポを遅らさせてはっとした。
ー…
戸を壊す勢いで開け、部屋に踏み込んだ。
｢センさん、来たわ！｣
｢…お前、ガープに似てきてないか？
まあいい…呼ばれた理由は分かっているだろう
あらかたガープから聞いたが、やはり見て見ないとなんとも言えないからな｣
呆れた顔でも動揺は隠しきれていない。
｢つまり…技を見せればいいのね、分かった。
…
彗精霊！！！｣
叫んだ瞬間、私の周りを旋回しながら銀に輝く堂々とした立派な龍は現れた。
センさんは気休めに揉みしだいていた手を脱力させ、口をあんぐり開けた
父さんは隣で笑って茶をすすっている。
ちらと私は窓の向こうへ意識を向け、あの舞を踊るかのような動きを見せる
｢……
幻舞…(げんぶ)！｣
ーーーーーーーー
限りなく美しい動き
そして、とても力強い動き。
突然、西の方角から爆発音が鳴り響いてきた
驚くセンゴク、ガープ、そして部下の2人は音のした方へと振り向く。
その窓の向こうの…少し遠い海の上には、煙をあげる2艘程の船があった。
｢…西に海賊、仕留めました、センゴク中将。｣
ーーーーーーーーー
後ろの２人から猛烈に熱い視線を感じるが今は無視
今のは、1日1回のあの舞を応用したもの
ただ意識して発動するより舞の要領で発動する方が威力が増すことに気づき、他にも数パターン考え出してある。
｢今のは、お前が？！｣
｢うん、水流の精霊をあの海賊船へと移動させておそわせた｣
またもや、今度は父さんも一緒になってあんぐりと口を開けた
｢A、お前は
海軍にとって、とても巨大な存在となるだろう｣
…ージー。
一部始終を移していたその電伝虫の先で
『お偉方』は呟く。
｢………鬼の子
いや
海の…女神。｣
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2017年12月4日 21時
