82話 ページ35
｢…本日の朝餉は、夏島から取り寄せた桃のコンポートにさくらんぼのトライフルでございます。
ドリンクは紅茶で？｣
｢ええ！…
んん〜っ美味しい…！｣
紅茶の注がれる小気味いい音がする
いい香り……一日の活力だわ。
案外ここでの生活も思っていたほど悪くはなかった。
｢…あと4ヶ月修行を積みますと、最終課題に挑むことになります｣
｢！…やっと詳しく聞けるのね｣
｢…ええ、場所は、インペルダウンへ移ります｣
！…あの大監獄へ…
｢Lv6があることはご存知ですよね？｣
｢ええ。｣
｢舞台はそこなのです。
Lv6のある広い一部屋を貸し切って、
約数万人の囚人の処刑を行ってもらいます｣
！！
つまり、連続して…数万人を…
｢…っ、必ず、殺すのよね？｣
｢ええ、処刑ですので。｣
…今まで汚してきたこの手は、色艶よく血色よくフォークを摘んでいる
倒した数は星の数だが…殺しはその中の三分の一
…慣れていないと言ったら嘘になるかもしれない
でも、あまり好きじゃない。
だが…それが強者の近道だと言うのなら
この手をまた汚そうじゃないの。
｢…分かったわ、やる｣
｢はい。｣
あと、4ヶ月……仮面を外した彼らが不気味に笑ったのを、私は見逃していない。
修行にもっと気を入れた方がいいかもね。
…
｢いい香り。｣
ーーーーーーーー
天女の間
｢水剣！
武霾嵐(ブーメラン)ッッ｣
水で作り出した胴体から頭上にかけて伸びる半月刀を、回転を用いて投げ出す
すると二つで一対の半月刀は
ブーメランの要領で敵をなぎ倒しながら、手元に戻ってくるのだ。
｢…続けていくわ。
水牢…凪…！！｣
水牢・大渦の大渦をとったバージョン
水槽のように相手を閉じ込めて置ける
｢……おいで彗星零
幻舞！……花吹雪！！！！｣
以前出した精霊を変形させて行う技
花吹雪は、水飛沫を上空から弾丸以上の威力で降らせる極めてシンプルな技
花吹雪を降らせるには、上に飛び上がり、弓を引く動きが必要になる
これには月歩がとても役立つ
下にいてもできるけど、これが一番安定したわね。
地面に降りる
｢でも、体力もずいぶん保つようになったわ
これだったらタイムリミット０も夢じゃないわね！！｣
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2017年12月4日 21時
