78話 ページ31
しばらくして、慌ただしい足音が聞こえてきた。
｢A様！！｣
｢！おはよう、もうお昼すぎだけど｣
昨日と同じ２人
なるべく多くの顔は知られたくないのかしら(仮面だけど)
それとも私が戻らないと知って警戒を？
一応諜報機関…知られると厄介よね
｢A様。お聞きしたいことがございますが、宜しいですね？｣
「もちろん」
。
。
。
こと細やかに、昨日のことを説明する。
やはり頭が回るのか1回で全てを納得したようす。マシューじゃこうはいかない。
｢なるほど。
つまりは、ついに、真の姿に覚醒した。ということですね…｣
｢……その、何か記憶の引き継ぎに進展は…？｣
｢…？いいえ、ないわ｣
そう言うと少し安心したように顔を見合わせる
そういえば、あの記憶の書物も、歴史のページが数枚破られていた。
なにか、知られてはいけない情報が…？
八百年以上前から生きる
私の一族が知る秘密…
｢…とにかく。
女神の力も含めて、修行なさるのでしょう？｣
…
まあいいか。
｢もちろんよ！｣
そう叫んだ時、私のお腹も同じように声を上げたのだ。
｢…でも
その、
先に食事にしてもいい？｣
彼らが笑ったのがわかった。
｢はい、すぐにご用意しましょう｣
｢あっ！少しだけ毒を入れてちょうだい！｣
｢…は？｣
ーーーーーー
ぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐ
ぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐぱくっもぐ
ごくんごくん。
ぱくっもぐもぐぱくっもぐぱくっもぐ
｢…あっという間に料理が減っていく…｣
｢広い厨房をフルに使ってやっと間に合うぐらいさ。
昨日の食べそびれた分もだろうな｣
｢あれ、…毒入ってんだよな。あんな沢山…｣
上品にナプキンで唇をぬぐう
｢んん！あーおなかいっぱい！おいしかったわ！！｣
｢(今は年相応だな…)はい。…さて、本日のご予定ですが、
只今から4時まで天竜人との謁見、その後６時まで修行、天竜人との会食、9時まで修行、入浴…その次が…
…
っ！(また雰囲気が…) ｣
この男どもは、私を
なめているのかしら
｢(おいおい機嫌を損ねるのはやめてくれ！美しいが！)｣
｢ちょっと。｣
｢…はい｣
｢私はどこのお貴族様なの？はじめの約束を忘れたのなら思い出させてあげるわ
私は兵士！強くなるためにここに来たって！｣
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2017年12月4日 21時
