58話 ページ11
｢この鉄球切ってもよかったんすか？｣
｢いいの、父さんのだから。｣
２人はまたきょとっとした
｢え…父さん？｣
｢えっと、…お嬢の父親って｣
言いかける２人に、私はしーっと指を口元に持っていく
そうすると２人はビダッと止まって、何故か顔を赤らめた。
｢…この半年、父さん…ガープ中将と話すことも色々あった。
そんな中いきなりあの人は、私に父さんって呼べっていったの。
もちろん私は今まで、センさんとガープ叔父さんを父親として育ってきたつもり
でも、そう言われて…呼んでみたら…｣
言葉を探している様子のAを二人はじっと黙って待っていた。
｢…初めて、ほっとしたようなきがしたの。
本当の父のように思って来たから、やっと呼べてそう思ったのかもしれない。
本当はセンさんも呼びたいけど、あの人はなかなか気軽には呼べないわ｣
剣を鞘に収めながら私は最後につぶやく
｢お嬢ってそういう所鈍感そうっすよね｣
…
｢え？｣
ギルバートは渾身の力でマシューの頭を叩いた。
叩かれてもマシューは続ける。
｢気づかなかったっすか？お嬢がガープさんにそう呼んでる時、センゴクさんかなり顔厳しかったっていうか、羨ましそうだったっす。｣
…センさんが？
｢…だ、から、…いてっつーの離せギルバート！！
…だから、ガープさんが、父さんってよばれてるんすから
センゴクさんだって呼ばれたら…ぜってぇ喜ぶと思うっす。｣
…そんなの気づかなかった。
私って鈍いのかな
でも、呼んでいいなら…呼びたい
私の父親はあの2人だもの。
｢うん。……よしっ、そうと決まればすぐさま実行！！｣
｢｢え。｣｣
ーセンゴク自室部屋前
｢流石の実行力、憧れます｣
｢そういうスパッとしたの好きっす。｣
しゃがんだ2人が私に言う
｢そういうのは心の中で言って。
…いい？あなた達はここで待ってて。もし私に何かあっても、あなた達は来ちゃダメ、父さんに知らせてね｣
｢(あの溺愛センゴクさんの部屋で何をそんな危険があろうか)はい、仰せの通りに｣
｢(現場脳…)うっす｣
二人の返事を聞き遂げた後で、私は深呼吸をする。
…私だって緊張はする
｢…
……よし。｣
勢いよく扉を開けた。
扉を開けた瞬間と、センさんが鼻ちょうちんを割る瞬間は同時だった
｢…｣
｢…ぅお！…A、どうした｣
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2017年12月4日 21時
