第325話 ページ36
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門の反応あり。トリオン兵の反応はなし。
以前までは開いていて、ここ最近はずっと報告されていなかった門が開いた。
その時の対処は決まって百夜で、俺たちはその場に居合わせたことはあってもほぼ手は出していなかった。
本部長にどうするかを尋ねると、長い沈黙。
その後すぐに、様子を見に行くよう指示が返ってくる。
「狙撃手二人はいつでも狙撃できる位置についておけ。陽介は俺に着いてこい」
［了解］［わかりました］
「オッケー。その後は？」
「‥‥‥今のところ その門から何かが出てきた反応はないが、もしトリオン兵が出てくれば排除だ」
レーダー上のマーク地点よりも手前で足を止め、辺りを警戒しながら近付く。
［‥‥‥陽介、止まれ。誰かいる］
［お〜？ ‥‥‥ありゃ人型か？ でも近界民ならレーダーに映るか］
［トリオン体でなければ映らない。油断はするなよ］
塀の裏に身を隠し、様子を窺う。
軍服のような服を着て腰に刀を差したそいつは、しばらくぶつぶつと独り言を繰り返している。
［なぁなぁ、なんか、声 迅さんに似てね？］
［そんな事どうでもいい。それより───］
言いかけたとき、「隠れてねーで出てこいよ」とこちらを向いて呼び掛けてきた。
気配は最大限消していたつもりだが、どうやら気付かれていたらしい。
［奈良坂］
［了解］
遠方からの攻撃を試みるが、男は容易くそれを避ける。
驚く陽介に［挟み撃ちするぞ］と言い置いて、そいつの背後に移動、銃口を頭に押し付ける。
「おいおいおい、おっかねーな。ボーダーってのは人間相手でも容赦ねぇのか」
ぴくりと眉が動いた。
───こいつは、ボーダーを知っている。
年齢は二十代前半だろう。
表情はほとんど無に近いが、雰囲気は強者のそれだった。
近界民かと問えば、何だそれと返ってくる。
門を通ってきたのかと問えば、肯定。
この時点で既に近界民と確定したようなものだ。
「そうか。なら死ね」
「何でそうなるんだよ」
「ボーダーや門は知ってるのに、近界民は知らない。完全に黒だ。だから死ね」
「どういう論理だよ」
そこで「ちょっと落ち着けよ秀次」と陽介が口を挟む。
「あんた見たとこ軍人っぽいけど、“こっち”に何しに来たわけ？ トリオン体じゃねぇよな？」
銃は下ろさず、陽介の問いに対する答えを待つ。
そいつは俺と陽介に向かって、こう口にした。
「──迅悠一っつー奴に用がある」
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夏向(プロフ) - 朝陽さん» こちらこそありがとうございます‥‥！！！ (2022年10月2日 23時) (
レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてました！ありがとうございます！ (2022年9月13日 23時) (レス) id: 2c0d85a97f (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - レモンはちみつさん» ありがとうございます！文章を褒めていただけると本当に嬉しくてすぐ調子乗ってしまいます(笑)気長に更新をお待ちいただけるとありがたいです…！ (2022年9月13日 23時) (レス) @page49 id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - 仁奈さん» ありがとうございます！更新が本当に遅くて申し訳ないです…。気長にお待ちいただけるとありがたいです…！ (2022年9月13日 23時) (レス) @page49 id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
レモンはちみつ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！一気読みしてしまいました。ワートリも終わセラも大好きなので嬉しいです！！書き方もすごく上手くて感情移入してしまいました、書き手として尊敬します！これからも頑張ってください！更新楽しみに待ってます！ (2022年8月14日 22時) (レス) id: 95afc2042e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2018年4月2日 10時
