第321話 ページ32
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「‥‥、お前」
「仕方ないじゃん」
小さく笑うと、グレンは「そうか」とそれ以上何も言わなかった。
こうすることが最も有効的だとか、そういうのも勿論ある。ただ、一番の理由は違うところ。
‥‥‥───私は、
〈頼っちゃなんねぇのに、本当は頼りたい。助けを乞いたい〉
「‥‥うるさい」
「あ？」
「‥‥何でもない」
嵐にはかなりの力が供給されたはずだ。
これは私の中の最大の禁忌だから。
力がある限りは、ひとまず安心できるだろう。
でも時間切れになったら、また。
「‥‥頼んでいい？ グレン」
そう尋ねると、大きくため息をついた。
「お前は
「うん」
「仕方ねぇから頼まれてやる」
「ありがとう。助かる」
「だが無理だったら手ぶらで戻ってくるからな」
「いいよ、大丈夫」
この決断をすることが最も大きな
勿論あった方がいいのだけど、私としてはない方が気分的にはいい。
あ〜あ、せっかく苦労して帰したのに。あの人たちにも悪いことさせちゃうな。
「迷惑かける。ごめん」
「謝んな遠慮すんな。逆に気持ち悪りぃから」
「じゃあ謝んないし遠慮しない。早く行ってきて」
「‥‥前言撤回、多少は遠慮しろ」
頭を小突かれ「痛っ」と声をあげる。
今度はぐしゃぐしゃと髪を撫でて。
「何なの、どうしたの」と聞くと「いや」と誤魔化す。
「‥‥‥え、何、ほんとに気持ち悪い‥‥‥」
「スキンシップだとでも思っとけ」
「はぁ‥‥？」
首をかしげながら髪を直していると、「お前の方は、大丈夫なんだろうな？」と尋ねる。
「と、言いますと？」
「バケモノは鬼が抑えてんだろ。
だが、
要するにそれは、私が疲れてないかとか、そういうことか。
心配性だなぁ、と思うと同時に、こんなところも迅さんと似ている、とも。
つくづく二人はそっくりだ。
「全然平気だよ。どっかおかしいように見える？」
「お前の“平気”は信用ならねぇからな」
「じゃあ何で聞いたのさ‥‥‥」
グレンはなぜか黙った。
しかし沈黙はすぐに破られる。「‥‥‥鬼が、な」
「‥‥‥へぇ、珍しい。グレンから姉さんの話するなんて」
「気が向いただけだ。忘れろ」
「やだね。
姉さんが私のこと心配してるの？」
「ノーコメント」
「はあぁ〜？」
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夏向(プロフ) - 朝陽さん» こちらこそありがとうございます‥‥！！！ (2022年10月2日 23時) (
レス) id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
朝陽(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてました！ありがとうございます！ (2022年9月13日 23時) (レス) id: 2c0d85a97f (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - レモンはちみつさん» ありがとうございます！文章を褒めていただけると本当に嬉しくてすぐ調子乗ってしまいます(笑)気長に更新をお待ちいただけるとありがたいです…！ (2022年9月13日 23時) (レス) @page49 id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
夏向(プロフ) - 仁奈さん» ありがとうございます！更新が本当に遅くて申し訳ないです…。気長にお待ちいただけるとありがたいです…！ (2022年9月13日 23時) (レス) @page49 id: d3650b90b8 (このIDを非表示/違反報告)
レモンはちみつ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！一気読みしてしまいました。ワートリも終わセラも大好きなので嬉しいです！！書き方もすごく上手くて感情移入してしまいました、書き手として尊敬します！これからも頑張ってください！更新楽しみに待ってます！ (2022年8月14日 22時) (レス) id: 95afc2042e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2018年4月2日 10時
