第197話 ページ8
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私が任されたのは、軍に入ってまだ間もない新人たちの隊だった。言うなれば教育期間のようなものである。
(‥‥さすが、と言うべきかな)
新人なのに、私の指示にしっかりとついてくる。試しに少し無茶を吹っ掛けてみたが、難なくこなした。多分、中将はこの人たちをもっと強くしようとして任せたんだろう。
(‥‥ま、そんな単純明快な理由ならまだいいけど)
軍に戻ってきて間もない人間に、あの人ならこんなすぐに隊を任せはしないだろう。
その前に裏切っていないかを徹底的に調べるのが柊暮人という人物だ。私の場合、その手間が省かれただけである。
新人は、熟練の兵に比べて《柊家》への忠誠心が薄い。
即ち、洗脳しやすい。それを利用し、私が自分の手駒として取り込まないかを探っているんだろう。
その証拠として、ほら。
さっきから、新人とは思えないほどの殺気と目付きで私のことを見ている者が1人。
それに気づかないふりをする私の苦労が報われているのか、今のところ特に問題は起きていない。
一区切りついたところで訓練を切り上げ、明日の訓練について説明したあと新人を解散させる。シャワーを浴び、ようやく官舎に戻ったのは夕方だった。
「‥‥はは、阿保らし」
一人吐き捨てる。私が、新人たちを取り込まないかって？
「私にはそんなことしてる暇、ないっての」
そんな面倒事している暇があったら、さっさと第一執務室に乗り込んで、従者もろとも殺す算段を整えた方がまだ早いやることは山ほど溢れているのだ。
「───まずは、グレンに会いに行かなきゃね」
姿が見えないのならこちらから探しに行くまでだ。
心当たりなら、ある。
官舎を出て、その目的地へと向かった。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
