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何で彼がここにいるのだろうか。いや、入隊したからに決まっている。何を当たり前のことを自問しているんだろう。
彼が入隊したのはきっと偶然だ。だって、私がいるなんて知るはずがない。逆に知っていたらおかしいではないか。
そんな思考を隅に押しやり、ふと太刀川さんを見上げる。まるで「ロックオン」とでも言いたそうな目。
「百夜ぁ、あいつ確保すんぞ」
「確保って‥‥」
「他の隊も絶対狙ってくるぞ、あいつのこと」
それは否めない。このチャンスを逃せば次はいつ彼のような逸材にお目にかかれるかわからないという太刀川さんの見立ては理解できる。
「よっしゃ、ランク戦するぞ」
「何でこの流れとタイミング？」
「定期試合日だし気分いいんだよ今は」
「まだそれ引きずってたんですか」
◇
初っぱなから対近界民戦闘訓練をやらされたり、テレビでよく見る広報部隊を目にした時より。
今見ている映像の方が、衝撃は強かった。
全ての訓練を終え、「ランク戦」とやらの仕組みややり方を説明するということで「C級ランク戦ブース」という場所に来た。
「おっ、丁度今対戦中だな」という嵐山さんの言葉に、新隊員たちは一斉にスクリーンを見上げた。
「‥‥すげぇ」
仮想空間では、2人の男女が激しくぶつかり合っていた。
武器の扱い、防御、間合いの取り方、気迫。どれをとってもレベルが違う。
それは正隊員である者達も同じなのか、称賛の声が溢れている。努力のしようによっては、おれもあの人たちみたいに戦えるようになるだろうか。
試合が終わったのか、勝者を告げるアナウンスが流れる。
「あ、嵐山先輩。来てたんですか」
「さすがだな百夜」
さっきの試合で、見事勝利した「百夜」と呼ばれた女子隊員。試合中の雰囲気とは打って変わり、その表情は穏やかだった。
「おい百夜！ 最後のアレはずりーだろ！」
「あはは、負け惜しみですか？ 見苦しいですね。新隊員も見てるのに」
「確信犯だな、絶対確信犯だな」
そんな会話が通常なのか、嵐山さんは普通に説明を始める。
そんななか、会話を終えた2人の視線が妙に刺さる気がしたが、怖いので気づかないフリをした。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
