第220話 ページ37
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一瀬グレンが落としていった言葉の意味は、三日三晩考えてもわからなかった。百夜といい彼といい、こちらを翻弄するように難解な謎ばかり残していく。
「‥‥あー、わっかんねぇよ、くそ」
5日目の夜、布団のなかで完全に電池の切れたスマホを弄びながら悪態をつく。わけわかんないことばっかり言いやがって あいつ、と唸った。
「太刀川」
「うわ、風間さん。起きてたの」
むっくり起き上がると、赤い両目がちらりと俺を見る。「お前は小難しいことを考える頭がないんだからいっそ気にするな」
「なんで俺は貶されてるのかな」
気にするなと言われても、あの男には考えろと言われたんだから仕方ないではないか。
それに───知らないままで後悔するのはもううんざりだ。
「‥‥風間さんはわかる？」
「‥‥俺なりに考えはしたが、正解なのかはわからん。この世界じゃ何が正しくて何が間違ってるのか、いまいち判断がつかないからな」
俺たちにとって非常識だとしても、こっちじゃ常識的なこともある、と。風間さんの言うことはもっともだ。その最大の例が吸血鬼だろう。
「‥‥やっぱり俺、百夜のことなんも知らねーや」
「知らなくて当然だ。あいつは何も言わなかった」
「でもさぁ、いろいろ疑問はあったわけじゃん。だったらそのタイミングで詮索しときゃよかったのかなってさ」
風間さんの隣で寝こけている出水に視線をやる。
こいつはこいつで百夜に別の感情を持ってるみたいだが、あの質問の真意はそれと関係しているのか、それとも純粋な疑問だったのか。
「‥‥百夜の親は5歳の時に死んだ。そして、13で孤児院を抜けた。このことは知ってるな」
それは以前の遠征の時に聞いた。その時はなにも違和感を覚えなかったが、今考えれば。「‥‥それ、おかしいでしょ」
彼女は10で命を懸けてまでしてあの刀を手に入れた。
だが百夜と迅のによれば、彼女はその頃まだ孤児院にいたはずだ。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
