第205話 ページ20
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複数の足音が地下空間に響く。
そこはかつて地下鉄の駅として使われていたのか、いくつかの改札があった。五人の男たちは、辺りを注意深く見渡しながら奥へ進む。
「‥‥！」「あれは」
そこにいたのは、白い服に身を包んだ者達。首についているのはそれぞれ異なる番号がふられた札。まるで動物のような扱いに、顔をしかめる。
「‥‥あんたたち、何者だ？」「何のつもりか知らんが、ここへは来ない方がいい。吸血鬼に殺されるぞ」
“吸血鬼”───という言葉に、男たちは一様に困惑の表情を浮かべる。
「さっさとここから出た方が身のためだ。あんたたちも家畜にされるぞ」
「───家畜？」
「そうだ。どこから来たのか知らないが、早く出ていけ。ここは生き地獄と等しい」
「‥‥あんたらは、逃げないのか？」
「ここからは逃げられない。
万にひとつ逃げられたとして、外には化けモノがうようよしてる。俺たちは生きていけない。ここがどんななのかわかっただろ。さっさと行け」
地上に出た彼らは、得た情報からこの地がどういう場所なのか推測する。そしてこれからどうするかという話を一度持ち帰ろうとした時、一人がぴくりと反応する。
敵が来ることを警告する前にそれはもう彼らの背後に立っていて、振り下ろされた刀を回避するので精一杯だった。
「‥‥こいつら」
「噂の吸血鬼、か」
五人、対、五人。かなり分の悪い状況に指揮官を務める男は舌打ちする。
「その男を捕えろ。あとは殺せ」
リーダーらしき吸血鬼がそう言うやいなや、他の吸血鬼らは即座に動いた。一人は、指示された指揮官の男を、他の三人は殺せと命じられた四人の男へそれぞれ攻撃する。しかしその身体に傷一つつかないことに僅かばかり動揺する。
「なぜ死なない？」
「殺せないなら拘束しろ」
身体は傷つかずとも人間離れした速さにかなうことはなく、抗戦するも地面にねじ伏せられる。一人の吸血鬼は二人を地面に縫い付けたが、なんら苦労する様子はない。
「答えろ。おまえらは何者だ」
「‥‥答えなければ、どうなる」
「答えなくても変わらない。家畜にするだけだ」
指揮官の男も腕を締め上げられ身動きが取れなかった。攻撃をしてもおそらく避けられるだろう、と踏んで大人しく撤退する隙を伺った。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
