第204話 ページ19
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剣比べは頭で考えるより反射がものを言う。いかに隙を見逃さず、相手の動きを見切るか。
受け太刀からの切り返し。攻めへの転じ。守りに入っては殺られる。勝つには攻めるのみだ。攻撃は最大の防御である。
一度距離をとると、すぐさまそこを詰めに来る。なかなかやるじゃないか、と小さく笑う。
「───でも、距離の詰めすぎもよくない」
とんと彼の額に呪符を貼った。「下がらないと死にますよ」
「‥‥‥」
彼はにやりと笑った。
「！」
その彼の背後から、2人。
なるほどそういうことか、と意図を理解する。
迫る2本の刀を受けると、呪符を解呪した町田一等兵が2人の間から斬り込みに来る。
その攻撃を避けるべく、刀を2人の方に押し込みジャンプ。そのまま宙返りして着地。
突然押されたことに動揺したのかバランスを崩し倒れる。
町田一等兵はすぐに方向転換するが、「はい、終了」と首に刃を突き付ける。
「あなたが指揮をしていましたよね？
なら、指揮官がやられれば残りの6人は終わりです」
つまり、全滅。負けだ。
「指揮官は最後まで生きていなければダメです。つまり、あなたが私に勝負を仕掛けた時点で───」
「‥‥俺たちの負けは決まっていた」
「そうですね。
でも、陣形の組み方自体はよかった。一番慣れた型で戦った方がスムーズに動ける。
さらに狙撃手の配置や狙撃のタイミングは相手をイラつかせるという役割を完璧に果たしていた。
前衛中衛が動きを見直して個々の力を伸ばせば、この隊はもっと強くなれる」
全員が考え込み、あそこはああしたらとかあれは良かったなど言い合う声が聞こえてきた。記憶が新しいうちに反省をさせてやろうと思い、整列はさせずそのまま解散させた。
(‥‥まともに戦えるようにしとけ、か)
現段階ではまだまだということか。新人教育というのはなかなか大変なのだなと思った。ボーダーで私は新入隊員と関わることはほぼなかったから、後進育成は手探り状態である。
今は諏訪さんや風間さんの真似事でなんとかなっているが、彼らに合ったやり方を見つけなければそこまでだろう。荒船先輩に新人育成の理論でも教わっておけばよかった、と少しだけ後悔した。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
