第203話 ページ18
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急な召集だったにも関わらず、隊員は全員揃って整列していた。私の気まぐれにも慣れたらしい。なんて優秀な新人を持ったのだろう。
護衛任務にも就くのだから、連携や陣形の確認はしておいた方がいいだろうと思い、今思いついたことをそのまま口にする。
「今日は皆さん対私で戦闘訓練を行います」
狼狽多数。まぁそうなる気持ちはわかる。
しかし、20人対1人だから勝ち筋はあるだろうと考えたのか、すぐに陣形を話し合い始める。
下位の貴族となら単独でやりあえることを含めると、単純に考えてそれ同等の力があるということだ。
さて、それを踏まえた上でどんな作戦をとるのか。
ルールとして「バランスを崩したらそこで即退場」という条件をつける。吸血鬼相手には一瞬の隙も命取りだからだ。
隊員達がとった陣形は、それぞれ前衛に近距離、後衛に遠距離、その間に中距離が得意な者達が配置されている。
基本にもっとも忠実な型。これまでにない敵を相手にしたとき、結局は一番慣れた形が適しているのだ。
死角からの狙撃。それを落とす間に前衛5人が斬り込んでくる。殺気は十分だが、動きがまだまだ単純だ。
一度ジャンプして、嵐を具現化し足に巻き付け転ばせる。
吸血鬼は鬼呪を使わないから具現化はないし、その影響である弱体化もない。
けれど、絶好の隙を突けるかという点は対吸血鬼戦と共通している。
速い動きに慣れれば、二級武装程度の吸血鬼に、負けることは圧倒的に少なくなる。いかに“速さ”に慣れさせるか、だ。
前衛の動きはまずまずだが、後衛の狙撃組はなかなかにいらつく狙撃をしてくる。
なら、真っ先に狙われるのは当然。
ほんの一瞬。本当にコンマ数秒とかだけれど、前衛中衛が割れ、道ができる。吸血鬼ならばその隙を逃すはずがない。
狙撃手は6人。
散っていたようだが順番に倒していく。
6人目を倒したとき、背後から剣撃。
この新人達のなかで、最も優秀な隊員。確か町田隼一等兵、と言ったか。
「お手合わせ、お願いします」
それは判断ミスだ、と思ったが、反省会は後だ。
今は彼の希望に沿ってやろう。
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
