土足の侵入者 ページ13
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──“何を考えてるかわからない”────
それがあいつの、第一印象だった気がする。
◇
「迅、こいつか？ お前が言ってたの」
「そうそう、百夜A」
「‥‥初めまして」
にこりとも笑わず、目の前の少女はそう言った。
確か迅の2つ下らしいから、13歳か。一週間位前に、彼女のことは聞いていた。
『面白い子いるから、今度紹介するよ。太刀川さん絶対気に入ると思うよ』
こいつがか、と彼女を見下ろした。
どこをどう見ても俺が気に入るような奴とは思えない。しかもまだ中学生である。
俺がそう言うことを見越してか、「百聞は一見にしかず、だし、戦ってみれば？」と迅。
「A、いいよな」
「‥‥別に、いいですけど」
そんなに時間かからないでしょという言葉にカチンときた。滅茶苦茶生意気だ。
「おっ 太刀川さんに火がついた」
「ぶった斬る」
「‥‥‥」
彼女は表情をまるで出さない。中学生はこう、もう少し子供っぽかった気がするんだが、と扱いづらさに苦笑した。
──────
「お疲れ様〜」
「‥‥なんだあいつ、すっげー強い‥‥」
「でしょ」
試合が始まった瞬間懐に斬り込んできた。
間一髪で避けはしたものの、どちらが優勢かは明らかで。癪だが確かに試合終了まで時間はそんなにかからなかった。
「何者だよあいつ。尋常じゃねぇ。しかも全然表情変わんねーし余計怖いわ」
「まあいろいろあってね。それよりどう？ 気に入った？」
「‥‥確かに、面白い奴だってことは認める」
あと、俺がまだ未熟だってことも。まあ元々自分が一人前だなんて思ってはいなかったが。あいつと戦い、負けることで改めて突きつけられた。
「お疲れ様でした」
「おまえ
「‥‥まだ新参者ですよ」
新入りでこれかと思うと、俄然興味が湧いてきた。これから彼女はどんどん強くなるだろうと俺の勘が言っている。
「暇あれば試合相手頼むから。勝つまでやってやるから覚悟しとけよ」
「ええ‥‥」
あからさまに嫌そうな顔だ。やっと表情らしい表情を見せた。
「よし もう1本やるぞ」
「‥‥嫌です」
「先輩の言うことは？」
「絶対、ですか？」
「わかってんじゃん」
はぁ、とため息をつかれる。やっぱり生意気なやつだ。
「あと俺は“あなた”じゃなくて太刀川慶だ。───よろしくな、百夜」
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夏向(プロフ) - るい酸性さん» 読み返していただきありがとうございます！6は現在改変中でして、土曜日中に全体公開する予定なのでもうしばらくお待ちください！ (2023年2月11日 0時) (
レス) id: b371f4960f (このIDを非表示/違反報告)
るい酸性(プロフ) - 久しぶりに読み返しました！6のパスワード教えて欲しいです！ (2023年2月10日 17時) (レス) @page49 id: 825df6404c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏向 | 作成日時：2017年9月7日 19時
