嫉妬 ページ12
西島side
現場にくると、もう既にAの姿があった。
綺麗な黒髪、白い肌。
後ろ姿だけで彼女だとわかる。
あの報道から、ろくに話してない。
それはAからの連絡を待ってる自分が心のどこかにいるから。
｢西島さん、ここはこう……身を投げ出す感じで｣
｢はい。｣
頭から、離れない。
しっかりしろ、仕事中だぞ。
そう分かってるのに、Aの事が頭から離れなかった。
｢そうなの？夏樹くんすごいね！｣
｢いや、ただ運が良かっただけだよ。大袈裟(笑)｣
休憩中にふと見た光景。
Aの隣にいるあの男……誰だよ、
今日一言もAと話してない。
まぁ、あまりタイミングがないって言うのもあるけど。
A俺の彼女なのに。
二人の会話が、嫌なほど頭で繰り返される。
クッソ。
黒い嫉妬心が渦をまいて広がっていく。
久しぶりだった、こんなに妬くのは。
Aとアイツを引き離してもいいけど、流石に今は仕事中だ。
トラブルは避けたい。
でも、話を聞くのも辛い。
いつも持ち歩いているイヤホンを乱暴に耳に押し付け、聞こえないように音量をあげた。
｢西島さん、ラストです！よろしくお願いします！｣
｢はい。お願いします、｣
最後のラストシーン。
それは、俺とAが恋人から別れを切り出すシーン。
もちろん、設定上振られるのは俺の方で。
繋いだ手の温もりが、するりと離れて
｢さよなら。｣
なるべく、顔を見ないように意識する。
ここでAが振り返って離れていくはず。
でも
｢ッッ……｣
いつの間にか、Aの頬を涙が伝っていた。
頬を伝って床には小さいシミができる。
｢はい、オーケー！！よかったよ、二人共！！Aさん、アドリブすごいよかった！｣
｢ありがとうございます｣
｢あ。はい。ありがとうございます｣
監督の声に我に返る。
そうだ、Aは……
彼女の姿を探す。すると……
｢お疲れ様Aいい演出だったよ。｣
｢うん、ありがとう｣
｢はい。これで涙拭いて？｣
またあの男がAに近づいている。
撮影も終わった。もう、限界だ。
気がつくと俺は二人の元へ近づき、Aの腕を掴んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芹那(プロフ) - あゆにし♪さん» うわぁ、本当に嬉しすぎます。今日は数話更新する度予定ですのでよろしくお願いします^^ (2017年9月17日 7時) (
レス) id: 7ca670225a (このIDを非表示/違反報告)
あゆにし♪(プロフ) - 芹那さん» いえいえ！名前のことなんてそこまで謝んないでください(;_;)ほんと毎日早くみたいが強すぎてます(*^^*) (2017年9月17日 7時) (レス) id: 1e5cd2df69 (このIDを非表示/違反報告)
芹那(プロフ) - あゆにし♪さん» 名前の事はすいませんでした。これからは気をつけます。本当にご指摘ありがとうございました！ (2017年9月17日 7時) (レス) id: 7ca670225a (このIDを非表示/違反報告)
芹那(プロフ) - あゆにし♪さん» 毎日なんて……嬉しすぎて震えそうです！（笑）ありがとうございます！頑張ります！ (2017年9月17日 7時) (レス) id: 7ca670225a (このIDを非表示/違反報告)
あゆにし♪(プロフ) - 芹那さん» 毎日続き楽しみで仕方ないです！がんばです！ (2017年9月17日 7時) (レス) id: 1e5cd2df69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芹那 | 作成日時：2017年8月30日 19時
