突然に ページ11
｢では、20分間休憩が入るので、どうぞゆっくりしててくださいね。｣
ここのスタッフさんは本当に丁寧で、
次は誰と何をすればいいのかとか、
次は何がテーマなのか、とか細かく教えてくれる。
そして、撮影五分前にはあたしの元まで来て声をかけてくれる。
今回は、いいビデオになりそうだな。
そんな予感がした。
｢Aさん？ちょっといいですか？｣
｢はい｣
突然名前を呼ばれ、戸惑う。
だって、顔さえ見たことないんだもん。
｢俺、夏樹(なつき)って言います。次、Aさんと同じ場面を撮影させてもらうんだけど…少しくらい話してみたくて。｣
爽やかな笑顔を浮かべる彼。
｢あ、そうなんですか？すいません、気づけなくて。よろしくお願いします｣
｢そんなかしこまらなくて大丈夫だよ。俺、こう見えてAさんと同い年だから。｣
｢え！？そうなんですか？！｣
｢うん(笑)出演者一覧見てたら、
あ、俺と同い年の人いるって思って。
面白い偶然だよね。｣
｢へ〜！そっか！よろしくね夏樹くん｣
あたしより20センチほど高い肩。
180センチぐらいあるかな？
なんだろう、照明に照らされて笑う彼に凄く心が惹かれた。
｢それで、次の事なんだけど……。｣
知らない現場での撮影。
慣れっこだったけど、やっぱり不安が消せるわけじゃなかった。
でもそんな時、夏樹くんが声をかけてくれて不安が浄化されていった。
｢あ。そろそろ始まるね。じゃ、行こっか。｣
｢うん！｣
その後の撮影も彼のおかげで難なく進み、
今日のラストスパートにかかった。
この場面が、あたしと隆弘が共演する場面。
夏樹くんに相談できない分、不安が募る。
｢よし、｣
ペットボトルの水を喉に通し、あたしはスタンバイを始めた。
｢切なさ｣｢愛しさ｣｢孤独｣
色んなテーマを元に作られたこの曲。
それを、この場面で最大限に伝えるんだ。
目の前にはにっしーがいる。
ここで、笑ってそして……2人が別々の道を歩き出す。
『ありがとう』
と口パクで伝えて、後は振り返るだけ。
繋がれたにっしーの手。
それを、振りほどくのだ。
｢ッッ……！｣
ただ。ただそれだけの事なのに。
あたしの目からは涙が溢れた。
この撮影がおわったら、またにっしーに会えない日が続く。
辛い。辛いよ。
｢さよなら｣
頬を伝う涙。
でも、それを無視して無理やり笑う。
クルッと振り返って、1歩、1歩ずつ離れて
｢よし！！オーケー！よかったよ！2人とも！｣
そこで、撮影は終わった。
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芹那(プロフ) - あゆにし♪さん» うわぁ、本当に嬉しすぎます。今日は数話更新する度予定ですのでよろしくお願いします^^ (2017年9月17日 7時) (
レス) id: 7ca670225a (このIDを非表示/違反報告)
あゆにし♪(プロフ) - 芹那さん» いえいえ！名前のことなんてそこまで謝んないでください(;_;)ほんと毎日早くみたいが強すぎてます(*^^*) (2017年9月17日 7時) (レス) id: 1e5cd2df69 (このIDを非表示/違反報告)
芹那(プロフ) - あゆにし♪さん» 名前の事はすいませんでした。これからは気をつけます。本当にご指摘ありがとうございました！ (2017年9月17日 7時) (レス) id: 7ca670225a (このIDを非表示/違反報告)
芹那(プロフ) - あゆにし♪さん» 毎日なんて……嬉しすぎて震えそうです！（笑）ありがとうございます！頑張ります！ (2017年9月17日 7時) (レス) id: 7ca670225a (このIDを非表示/違反報告)
あゆにし♪(プロフ) - 芹那さん» 毎日続き楽しみで仕方ないです！がんばです！ (2017年9月17日 7時) (レス) id: 1e5cd2df69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芹那 | 作成日時：2017年8月30日 19時
