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素直って(月島蛍) ページ8

『月島マジでありえないんだけど!』

「こっちこそアンタみたいなのごめんだね」


今日もいがみ合ってるこいつは月島蛍。

月島とは反りが合わないのか、顔を合わせるといつも喧嘩ばかりしている。


が!!!
私は月島の事が好きなのである。

よく言うでしょ?
好きな相手にほど素直になれないって。それ。


『なんでそういう言い方しか出来ないかね〜??だから女の子が逃げるんだよ!!ちょっとは山口見習いな!』

「アンタこそ、そういう口調が男を引き寄せないんじゃないの?w」


はあ、今日もかっこいい。
そうやって私を見る冷たい目すら好き。

なんで素直になれないかな〜…。


『あぁ、はいそうですね。もう結構です!私もう帰りますんで!』

「ちょっ…!」


そうだ。ここは階段の踊り場だった。

私が気づいた時には段差を踏み外していた。
階段全部で何段あるんだろ。

私生きてられそう?大丈夫?

なぜか頭の中は冷静だった。
覚悟を決めて目を強く瞑った。


途端に何かに強く腕を引かれ、ギュッと体を包まれた。


落ちた先でゆっくりと目を開ける。
目の前には目を瞑ったままの月島がいた。


『つ、月島……起きて、月島…』


私が軽く揺らすと、月島は顔をしかめつつゆっくりと起き上がった。


『い、生きてた……』

「これくらいじゃ死なないデショ…」


制服を軽く払いながらそう言う月島の姿を見て安心したのか、思わず涙がこぼれてしまった。


「え、ちょ、なに泣いてんの」

『ごめん、なんでもない…!』


そう言って顔を背けようとすると、月島は私の頬を両手で包んだ。


「何でもなくないデショ。好きな人が泣いてるのに」


月島の言葉に驚き、私はさらに大粒の涙を零してしまった。


『……月島が死んじゃったかと思って、焦ってて…』


泣きながら必死に言葉を発する私に月島は、


「怪我、してない?」


と問いかけた。私がゆっくり首を縦に振ると、月島はホッとした表情をして言った。


「好きな人を守れてよかった」


私はひたすら泣いてしまった。涙が枯れるまで泣いたかもしれない。


月島はそんな私はギュッと抱きしめた。


「いつも冷たい言い方ばかりでゴメン。本当は大好きだから」


私も月島を抱きしめ返し、


『私も…好き』


そう、小さく返した。









『あ〜あ!これだから蛍くんは女の子に逃げられるんですよ!』

「別にA以外に興味無いので結構デ〜ス」

『は、はぁ!?』


これは素直になれない2人の話。

バグ修正(黒尾鉄朗)→←夏の記憶(及川徹)



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作品ジャンル:恋愛
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時

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