最後だから(赤葦京治生誕記念) ページ48
赤葦先輩はガードが硬い。
『先輩！お菓子どうぞ！』
「俺甘いの苦手だから」
『先輩、差し入れのおにぎりです！』
「木兎さんに渡してあげて」
『先輩！』
「あ、木兎さん」
尽く惨敗してる。悔しい。
なんなんだ一体。木兎さん好きすぎないか。
まあ木兎さんには勝てないなとはいつも思う。
先輩はバレーボールしてる時が1番キラキラしてるから。
きっと木兎さんのお陰なんだろうなと思ったら、勝てる気は全くしない。
『先輩、今日お誕生日ですよね』
「そういえばそうだね」
『私、渡したい物があるんです』
今日で最後、もうこれで終わり。
今日が終わったらもう、赤葦先輩を好きでいるのを辞める。これ以上先輩に迷惑かけたくないし、わがまま言いたくないから。
「なに？」
放課後、練習が始まる前のまだ静かな体育館に声が響く。
いつも1番に来る赤葦先輩と、新人の1年マネージャーである私が唯一2人きりでいられる時間。
『これ…』
白い封筒を差し出す。
読んで貰えなくてもいい、捨てられてもいい。
ただ受け取って欲しかった。
『いわゆるラブレターです！捨ててもいいんで受け取って下さい！』
「えっ…」
ほんの少し困惑する赤葦先輩。
そんな表情すら好きだった。
『これ受け取ってくれたら、もう諦めますから…』
溢れそうな涙を必死に堪える。
泣いちゃだめ。だめなんだ。
泣いたら先輩を困らせてしまう。
封筒は先輩の手に渡った。
『ありがとうございます！もう、先輩のこと…』
私がそう言いかけると、赤葦先輩は封筒をあけて中身を読み始めた。私がいつ先輩のことを好きになって、先輩のどこが好きなのかを具体的に書いた内容は、赤葦先輩からしたら気持ちの悪いものだろう。
けれど先輩はじっくりと読んでくれた。
「ありがとう」
『こちらこそ』
赤葦先輩はそう言いながら手紙を封筒に戻した。
私は捨てられると思いながらその様子を見ていた。
「新田は俺の事をよく見てくれてたんだね」
『そりゃ、本気で好きでしたから』
「でした、なの？」
先輩の言葉に少し驚き顔を見た。
赤葦先輩はこちらをじっと見つめていた。
『それ渡したら諦めるって決めてたんで…』
「俺まだ答え言ってないけど」
『答えは分かってますから…』
ほんの少し目を逸らした。
赤葦先輩は私の髪を耳にかけた。
「俺も好きだよ、A。最高の誕生日プレゼントをありがとう」
触れるだけの優しい口付けが落とされた。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…！！むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…！続編をお気に入り登録しておきます…！！！！！！ (2月18日 15時) (
レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー！リクエストありがとうございます！久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます！！現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください！ (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…？(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね？(は？何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…！(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泡姫 | 作成日時：2021年9月1日 21時
