可愛い…?(夜久衛輔) ページ34
「はーい、ちょっと道開けて〜」
メイド服着た可愛らしい女の子が、見た目とは裏腹に低めのかっこいい声でそう言った。音駒には色んな生徒が居るんだな〜、なんてのんびり考えて歩いていたが、私はその声にやたら聞き覚えがあった。
『夜久さん…?』
すれ違った彼女、否彼に声をかけた。
ゆっくりと振り返った彼はやはり音駒のリベロ、夜久衛輔だった。
『やっぱり夜久さんだ、どうしたんですかその格好』
彼は比較的小柄だし、背格好だけならきっと気付くことは無かったと思う。
彼は軽くため息をついた。
「まさかAに見られるとはな…」
夜久さんは苦笑いしながら片手で後頭部を触った。
「まさか赤葦とか木兎も来てんのか…!?」
『いいえ、今日は私だけです。黒尾さんが絶対1人で来てくれと言っていたので』
私がそう言うと、夜久さんは安心したように一息ついた。
「まあAだけで良かったわ。文化祭、楽しんでくれよ」
『あ、あの、折角なんで写真撮りましょうよ』
「は、はぁ!?」
夜久さんは一瞬嫌そうな顔をしたが、私がインカメラを開き自撮りの出来る状態にすると、渋々写真に写ってくれた。
『ありがとうございます。大事にします』
「んなもん大事にすんな!」
そう言う夜久さんは少し拗ねているようだった。
それにしても夜久さんは可愛い。メイド服がよく似合っている。女の私が見惚れてしまいそうになってしまった。
「あんまジロジロ見んな…」
『すみません、あまりにも可愛くてつい』
「か、可愛いとか言うな!」
そう言って夜久さんは私に背を向けた。
後ろ姿は本当に女の子みたいだった。
「……なんかみっともねぇとこ見せたな…」
『みっともなくないですよ。可愛いですもん』
「そういう事じゃなくて…!」
あ"〜っ、と頭をわしゃわしゃとかいて、夜久さんは私のことを見つめた。
「好きな奴の前でくらい、かっこいい俺で居たいじゃん…」
夜久さんはそう言って目を泳がせ、時々合わせを繰り返していた。
『……大丈夫ですよ、どんな夜久さんも夜久さんですし、夜久さんはいつもかっこいいですから』
私がそう笑って見せると、夜久さんは頬を赤く染め、顔を逸らしてしまった。
「俺よりかっこいいのやめろよ…」
『すみません、私も夜久さんのこと好きなので』
私はイタズラに笑って夜久さんに背を向けた。
「お前、ほんとに……」
『ほんとに、大好きですよ』
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時