体調不良?(北信介) ページ3
『北さ〜ん!お昼ご飯まだですか?』
昼休み、私は部活の先輩である北さんを探していた。
「あぁ、Aか。昼なら丁度これからやで」
『せやったらちょっとご相談あるんで、一緒に中庭でどうです?』
お昼の入ったコンビニ袋と部活のノートを抱えてそう言うと、北さんは内容が部活関連であると察したのか、すぐに「ええで」と首を縦に振ってくれた。
「ほんで、相談ってなんや?部活のことやろ?」
『あ〜、それがなんですけど、今日宮双子が大喧嘩してまして…』
「またあいつらはAを困らせてるんか」
北さんはお弁当を食べながら話を聞いてくれた。
私はおにぎり1個を食べると練習メニューの書いてあるノートを開いた。
『んで、今日の喧嘩はだいぶやばいんで練習メニューを変更して双子がぶつからへんようにした方がええんちゃうかなと思ってまして……』
私はそのまま話を続けた。すると北さんは
「A、昼それだけなんか?」
と問いかけてきた。
『あぁ……なんか今日食欲あんま湧かんのです…』
えへへ、と誤魔化すように笑って再度ノート眺める。
ここをこっちにずらそうか、いやでもこっちは先がいいかな、なんて考えながらノートを見ていた。
「Aちょっとこっち向いてや」
北さんにそう言われて振り向くと、私の頬を両手で包み込んだ。
『き、北さん……何してるんですか…』
「体調悪いんかなと思ってな」
そのまま片手を私の額に当てる北さん。
「ちょっと熱いかもしれへんな」
『こんなことされたら無い熱も出てきてしまいますよ……』
照れ隠しにそう言うと北さんは僅かに微笑んで
「何?俺に触られてドキドキしてもうたんか?」
と言った。
あぁそうだよその通りだよ、そんなことを思いつつ首を横に振る。
「なんや、ちゃうかったんか。俺はドキドキしてたんやけどな」
そう言ってまたお弁当に手をつける北さん。
私はその言葉に少し動揺し、思考停止してしまった。
『い、今…なんて……』
「せやから、俺は好きな子に触ってドキドキしてたんよ」
そう言って北さんは最後の一口を食べると、丁寧に「ご馳走様でした」と言ってお弁当箱を閉じた。
「俺、Aのことずっと好きやってんけど、気付いてへんかった?」
微笑みながらそう言う北さんは、私が大好きな北さんで、少し意地悪な北さんだった。
『き、気付いてないですし、私も北さんのこと……』
中庭を通ったその日の風はとても心地よかった。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時