静電気(北信介) ページ19
「北さんって弱点とかないんかな」
「1つくらいはあって欲しいけどな」
部活前、作ったドリンクを体育館に運んでいると、そう話している侑と治の声が聞こえた。
信介の弱点なんて考えたこと無かったからか、私もつい気になってしまった。
『2人ともそれ信介に聞かれたらあかんやつやろ』
私がそう言ってボトルケースを置くと、2人は驚きのあまり叫んでいた。
私は気にすることなく、準備を進めた。
「いやでも、新田さんも気になりません？」
「あの完璧人間の弱点、知りたないですか？」
『あんたらの話聞いてたらなんとなく気になってしもたわ』
部活のノートをペラペラとめくりながら答える。
『あでも、前に静電気嫌い言うてたな。バチバチってなるのが嫌やって』
「……静電気…」
「しょーもな…」
呆れ顔の双子を『はよネット張らんかい』と追いやり、私はまたノートを眺める。
信介が静電気が嫌いなのは事実だが、それしか知らない。他に何かないだろうかと、「北信介」と信介本人が書いた字を見つめていた。
「何をそんなに見てるん。気になるとこでもあったんか？」
『うわああっ！？』
後ろから声をかけてきたのは信介だった。
あまりの驚きに叫んでしまった。
これじゃさっきの双子と変わんないな。
『いや、あのね、信介ってなんか弱点ないんかなって思っててな！』
いや何をバカ正直に言ってんだ私！！！違うだろ！！！絶対言ったらあかんやつやん！！！
「弱点？俺の？」
『うん！まあ！そうなんだけど！気にしないで！』
私は慌ててノートを閉じて立ち上がり、体育館を出ようとすると、信介が私の腕を掴んだ。
『えっ…な、なに？』
「いや、すまん。今日は少し寒いから、これ羽織っとき」
信介はそう言って私の肩にジャージをかけた。
そして私にしか聞こえない小さな声で言った。
「俺の弱点は、Aかもしらんなぁ…」
信介は柔らかな笑みを浮かべた。
『それって、どういう……』
「好きな人のことは何よりも1番やからな」
信介はそれだけ言い残して、なにやら言い合いしている双子の元へ行ってしまった。
ふわりと信介の匂いがするジャージ。袖を通すとほんの少し静電気が走った。
『私も静電気苦手やわ…』
私は体育館を出て、信介の柔らかい笑顔を思い出す。
『私の弱点も、信介やねんけど…』
私は少し大きな信介のジャージの袖で顔を覆い、ほんの少しだけ頬を赤く染めていた。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…！！むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…！続編をお気に入り登録しておきます…！！！！！！ (2月18日 15時) (
レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー！リクエストありがとうございます！久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます！！現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください！ (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…？(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね？(は？何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…！(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泡姫 | 作成日時：2021年9月1日 21時
