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朝練前の2人(影山飛雄) ページ11

『あれ、影山今日は早いんだね』

「新田、いつもこんな早いのか」

『体育館の鍵当番、今日は私だからね』


私が早くに体育館に着くと、影山がドアの前で立ち尽くしていた。まあ鍵があいてないのだから当たり前である。


『今日はなんでこんな早いのさ』


そう言って鍵をあけると、影山は私の後に体育館に入ってきた。


「今日の部室の鍵誰か知ってるか」

『多分菅原さんじゃないかな。昨日持ってた気がするし』


影山は適当に反応し、シューズに履き替えていた。


『影山って、バレー以外興味無いの?』

「あ?何聞いてんだお前」

『あー、ごめんって。そりゃないですよね』


私は諦めて影山に背を向け、朝練の準備を始めようとした。


「あるに決まってんだろボケ」

『あんの!?』


私は影山のすぐ横にしゃがみ、影山をじっと見つめた。教えろという念を送りながら。


「教えねぇよ!!」

『え!ケチ!私しか居ないんだしいいじゃん!』

「それが問題なんだよ!」


ちぇーと言いながら、私は再びその場を動く。張られたまま緩んでいるネットをピンと張り直し、きつく結ぶ。

てか問題ってなんやねん。そこが1番気になるわ!


『影山ってさ、私のことは新田って呼び捨てするけど、仁花の事は谷地さんって呼ぶよね?』

「そうだっけか」

『なんで谷地さんなの?もしかして好きとか?』

「っ…なわけあるか!」


そう言って影山は私から顔を逸らし、ボールを引っ張り出してきた。
何か気を悪くさせたかな、と思い私は影山の背中に声をかけた。


『ごめん、私なんか嫌なこと言った?』

「別に」

『嘘じゃん。何が嫌だったか教えてよ』

「それは…」


ボールを手に言葉に詰まる影山を、私はじっと見ていた。


『それは、何?』

「………新田だからだよ」


なにか小さく言った後に私の名前が聞こえた。
私は『え?』とだけ返した。


「だから、新田のことが好きなんだよ!ボケ!新田ボケ!」

『はっ!?ボケはないでしょ!アホ!』

「うるせえ!」


そこまで言われると、私は思わず吹き出し、笑ってしまった。


「な、何笑ってんだよ…」

『ううん、影山っぽいなって思って』


訳が分からない、と言った風に首を傾げる影山にさらに笑ってしまった。


『私も好きだよ、影山のこと』


影山は目を見開き、ほんの少し頬を赤らめた。





私たちの青春は、まだ始まったばかりだ。


ーー

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作品ジャンル:恋愛
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時

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