1番(影山飛雄) ページ29
今日は飛雄の練習がOFFということで、2人でのんびりとした休日を送り、夜は2人でお酒を飲みながら話すことにした。
私は飛雄と違って音駒の出身のため、2人で高校の思い出話を話していた。と言っても、主に私が話していたのだが。
『そうそう、黒尾って烏野の澤村くんのことめっちゃ毛嫌いしててさ〜』
「澤村さんめちゃくちゃ良い人だったけどな」
『それはそうなんだよ!私も分かってんだけど、相容れない感じ?っていうのらしくてさ〜』
「相容れない……?」
アルコールの入ったテンションがである事と、時折訳の分からないという顔をする飛雄が面白くて、私は物凄く楽しくなっていた。
『飛雄のとこのチビちゃん、なんだっけ、日向くん!あの子も元気にしてんの?』
「まあ、あいつはいつも元気だから」
『それもそうか〜!』
飛雄は私の話を聞いてばかりで自分の話はあまりしない。以前聞いてばかりでつまらなくないのかと聞いたけれど、飛雄は私が楽しそうに話しているのを見てるのが好きだと言ってくれた。
『そうそう、研磨って覚えてる?うちのセッターだった子』
「おう」
『あいつ凄いゲーム好きで、1回部活の休憩中とかにもログインしてたんだよね、イベントがあるとかで。たった10分とかなのに!』
私はそんなくだらない話をしながらケラケラと軽快に笑っていた。
「飲み過ぎ。そろそろ寝るぞ」
『えぇ〜、もうちょっと〜!』
「お前は明日も仕事あるんだろ」
飛雄はそう言って私からお酒を取り上げる。
私は致し方なくベッドへ向かった。
『飛雄も早く〜』
「すぐ行く」
そう言って飛雄は片付けを済ませ、私に背を向けてベッドへ入った。少し寂しい気もしたが、私はそれでも飛雄と同じ布団で寝れることが幸せだった。
「なあ…」
突然飛雄が口を開いた。
『ん、どうしたの?』
「…………ですか…」
『え、なに?』
よく聞こえず、飛雄の方へ寄って聞き取ろうとする。
「Aの1番は…俺ですか…」
飛雄はそう言っていた。
私は予想外の言葉につい笑い出してしまった。
「な、何笑ってんだボケェ!」
『ごめんごめん!飛雄っぽくなくてつい!』
私が声を出して笑っていると、飛雄は小っ恥ずかしそうに布団を頭まで被った。
私は飛雄を後ろからそっと抱きしめ、
『飛雄が1番に決まってるじゃん』
と囁く。
飛雄は布団からそっと顔を出し、
「……俺も…」
と小さく呟いた。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時