3 藍沢side ページ4
・
藍沢「…………あ。」
Aが記憶をなくして1週間が経ったころ。
天野「藍沢先生?どうかした?」
あの日から、俺の時間は止まったままで
でもそうはいかない救命の日常に流されて
忙しい救命の仕事をこなしていた俺。
1週間ぶりに、Aの姿を見つけた。
天野「……あの子が、どうかしたの?」
ふらふらと階段を上っていくAを思わずガン見してしまっていたらしい。
隣にいた天野奏が
心配そうに俺の顔を覗きこんできた。
藍沢「……悪い。行く。」
怪しむ様子を見せる天野を放って
俺はAの後を追った。
・
Aが向かっていたのは屋上だった。
その足が、あまりにもふらついていたものだから
藍沢「だ、大丈夫か?」
思わず声をかけてしまった。
Aは、ゆっくりとこっちをふり向いて
一瞬、驚いた表情をしたけど
A「…………大丈夫、です(^^)」
それはすぐに、柔らかいものに変わった。
A「……お医者さん?」
藍沢「あぁ。」
A「先生、お名前は?」
藍沢「……救命の、藍沢耕作だ。」
少しとまどいながら
少しだけ期待しながら
おれはAに名前を告げた。
A「藍沢先生、かぁ。」
いつもと何の変わりもなく俺の名を呼ぶのに
いつもとかけ離れてる俺らの距離。
守りたかった。
絶対に守りたいと願った。
そんな俺の手を
キミは、あっさりとすり抜けた。
キミのせいじゃない。
俺の、無力さが
カタチになって、表れただけ。
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ちゃむ - 初めまして、こんばんは!続きとっても楽しみにしています!!頑張ってください、応援してます!^ ^ (2017年9月26日 2時) (レス) id: 8580801f32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Manami | 作成日時:2017年9月16日 18時