ある日、私はムカつく月島に恋をした (ページ13)

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はぁ、はぁ・・・・・・。

もう、歩くの早いんだけど！

ただでさえ身長の差で月島の歩くペースの方が早いにも関わらず、早歩きだし。

A「ちょっと、歩くの早いよ！ってか、いつまで手、掴んでるのよー！」

その瞬間、月島がぴたりと止まった。

月島「・・・・あ、ごめん。」

手が離された。

なぜだろう。手が離された瞬間、残念に思ってしまった自分がいた。

A「いや、謝るほどでもないけど・・・。」

とかって会話しながらしばらく歩いた。

おっ、私の家が見えてきた。まあ、月島の家も。

ん？

・・・・・・・。

私の家に、車がない。

忘れてた。今日から、親が出張だったってこと。

鍵、持ってないし、兄弟いないし、行くところがない。

月島「着いた。じゃーね。」

A「・・・・・・う、うん・・・」

どーしよう、泣きそう。

私の様子がおかしかったのか、

月島「家、入らないの？」

A「えーーー・・・・・・っと・・・・」

頭の回転が早いのか、

月島「・・・・まさか、鍵ないとか言わないよねぇｗｗ」

本当のこと言ったほうがいいと思う。

・・・・・・・・・けど、からかわれたりしたらと思うと、言えない。

月島「え、本当に？」

しょうがない・・・。

A「持ってない・・・。」

すると月島はため息をついて、

月島「親は？」

A「今日から２日間出張だよ・・・。」

ちらっと顔を見たら呆れたような顔をして、

月島「バカじゃないの？高校生にもなって、親の仕事も把握しないでさ。」

だんだん悲しくなってきた。

目には涙が溜まってきた。

A「だって、忘れてたんだもん・・・。そんなバカバカ言わないでよぉ～・・・・」

ついに涙が流れでた。

人前ではどんなに悲しくても涙が出ない私が、月島の前で泣くなんて。

月島「ちょっと、泣かないでよ。・・・僕も言いすぎた。」

月島は、はぁ、とため息をついてから、思わず涙が止まるようなことを言った。

月島「しょうがないから、僕の家に来る？」

A「えっ？」

今、さらっとすごいこと言ったよね！？

月島「行くとこないんでしょ。だったら、僕の家に来るしかないでしょ。」