やぶひかの真実2

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「遅い...。」



時間15分過ぎてもこないやぶ。

仕事の時はそうでもないけど、ちょっとルーズなところもある。



普段だったら全然へーきなんだけど、
昨日の事もあって...ちょっと気が立ってるのかな。

やぶの遅刻にちょっと、むっとした。


それでもさすがに心配になって、電話しようかな、そう思ってポケットから携帯を取り出した時だった。



「ひかる〜！ごっめん！

遅くなっちゃった。いやーもう本当にごめん。電車がさぁ〜」



「もぉ、電車のせいにしないのっ！やぶがなかなか起きないからでしょぉっ?！」




！！！



お、女の子?！




やぶの後ろに見えたのは、やぶより少しちっちゃくて、色が白くて、笑顔が可愛らしい、天使みたいな子。


ちょっと服装はボーイッシュだけど...。


健康的に日焼けしている俺とは正反対だ。




俺はやぶと二人で遊びたかったのに...


よりによって女の子連れてくるとか...

おれと二人っきりじゃ楽しくないと思ったのかな...。



「やーっほんと遅くなってわりぃっ！

あっコイツ、伊野尾って言うんだけど。
...見たことない?Jr.でグループ違うからわかんないかな〜」



えっ?！Jr.ってことは...女の子じゃないの?！


伊野尾くんが女の子じゃないとわかってホッとする。


...あれ?なんでホッとしてるんだろう俺。






「はじめまして、伊野尾慧です。
やぶとはこう見えて同期なんだよっ。

光くんは有名だから知ってるよ。やぶとシンメ、すごいねぇっ」



「おいっ、くっつくなよ伊野尾〜。」


「えへへ〜いいじゃん、やぶう〜」



そう言いながら同時に、伊野尾くんはやぶの腕に抱きついた。
伊野尾くんのちょっと特徴のある声が妙に耳につく。


なんか...心がもやもやする...。

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